騒音性難聴の特徴|第106回医師国家試験B9

第106回医師国家試験 B9(2012年)

正答:b

問題

工場労働者の騒音性難聴について正しいのはどれか。

a.伝音性である。

b.両側性に生じる。

c.聴力は回復する。

d.1,000 Hz中心の聴力低下が生じる。

e.発症早期に日常会話の中で気付かれることが多い。

正答の理由

騒音性難聴は85 dBを超える騒音への慢性曝露で内耳(Corti器)の有毛細胞が失われて起こる感音難聴です。職場騒音には両耳が同じように曝露されるため、典型的には左右対称の両側性難聴となります(銃器など音源が片側に偏ると非対称になることもあります)。

各選択肢の検討

a.伝音性である。誤り。障害部位は蝸牛の有毛細胞で、感音難聴です。

b.両側性に生じる。正しい(これが正答)。騒音曝露による難聴は伝統的に左右対称の軽度〜中等度の難聴とされ、職場騒音では両側に生じます。

c.聴力は回復する。誤り。曝露直後の一過性閾値上昇(TTS)は24〜48時間で回復しますが、慢性曝露による永久閾値上昇(PTS)は有毛細胞の脱落によるもので回復しません。

d.1,000 Hz中心の聴力低下が生じる。誤り。典型的には4 kHz(4,000 Hz)付近から低下し(c5 dip)、曝露が続くと周辺の周波数へ広がります。

e.発症早期に日常会話の中で気付かれることが多い。誤り。初期の聴力低下は4,000 Hz付近に限られ、会話音域(おおむね500〜2,000 Hz)は保たれるため自覚されません。会話音域まで進行してはじめて生活上の支障が出るので、早期発見は騒音健診の聴力検査によります。

覚えるポイント

騒音性難聴=両側性・感音性・4 kHz dip・不可逆。早期は自覚しにくく健診のオージオメトリーで発見する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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