反回神経麻痺の原因疾患|第106回医師国家試験B2

第106回医師国家試験 B2(2012年)

正答:a

問題

反回神経麻痺をきたしにくいのはどれか。

a.胃癌

b.肺癌

c.食道癌

d.下咽頭癌

e.甲状腺癌

正答の理由

反回神経は迷走神経から分かれ、左は大動脈弓、右は鎖骨下動脈を回って気管食道溝を上行し喉頭に入ります。この走行に接する頸部・縦隔の病変(甲状腺腫瘍、食道腫瘍、肺・縦隔腫瘍、大動脈瘤など)が麻痺の原因になります。胃は腹腔内臓器で反回神経の走行から離れているため、胃癌は直接浸潤による反回神経麻痺をきたしにくい疾患です。

各選択肢の検討

a.胃癌。正しい(これが正答)。胃は横隔膜より下の腹腔内にあり、頸部・上縦隔を走る反回神経に直接接しません。反回神経麻痺の原因として挙げられる頸部・胸部病変には含まれません。

b.肺癌。誤り。肺癌や縦隔リンパ節転移(特に左の大動脈弓下・大動脈肺動脈窓付近)は反回神経を圧排・浸潤し、嗄声で発見されることがあります。

c.食道癌。誤り。反回神経は気管食道溝を走り、食道癌の直接浸潤や反回神経周囲リンパ節転移で麻痺をきたします。

d.下咽頭癌。誤り。下咽頭癌は喉頭へ進展しやすく、進行例では声帯麻痺(固定)を伴います。声帯麻痺は局所進行の指標として扱われます。

e.甲状腺癌。誤り。反回神経は甲状腺の背側を走るため、甲状腺癌の浸潤や甲状腺手術で麻痺が起こります。

覚えるポイント

反回神経の走行(大動脈弓・鎖骨下動脈→気管食道溝→喉頭)に接する甲状腺・食道・肺/縦隔・下咽頭の病変が麻痺を起こす。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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