小児てんかん症候群と治療薬|第106回医師国家試験A18

第106回医師国家試験 A18(2012年)

正答:a・e

問題

疾患と治療薬の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

a.West 症候群――ACTH

b.憤怒けいれん――バルプロ酸ナトリウム

c.複雑部分発作――ビタミン B₆

d.単純型熱性けいれん――フェニトイン

e.Lennox-Gastaut 症候群――クロナゼパム

正答の理由

West症候群(点頭てんかん)は通常の抗てんかん薬が効きにくく、ACTH療法(または副腎皮質ステロイド、結節性硬化症ではビガバトリン)が標準治療です。Lennox-Gastaut症候群は強直・脱力・非定型欠神など多彩な発作をもつ難治てんかんで、出題当時(2012年)はバルプロ酸に加えてクロナゼパムなどのベンゾジアゼピン系が用いられていました。現行の総説ではバルプロ酸・ラモトリギン・トピラマートが第一選択、カンナビジオール・フェンフルラミン・クロバザムなどが追加療法とされ、クロナゼパムはLennox-Gastaut症候群の非定型欠神発作や脱力・ミオクロニー発作に用いる薬として位置づけられます。公式正答はaeです。

各選択肢の検討

a.West 症候群――ACTH。正しい。てんかん性スパズムには通常の抗てんかん薬が効きにくく、ACTH筋注が標準治療です。

b.憤怒けいれん――バルプロ酸ナトリウム。誤り。泣いた後に呼気で止まりチアノーゼ・意識消失をきたす非てんかん性発作で、抗てんかん薬は不要です。対応は保護者への説明が中心で、チアノーゼ型では貧血がなくても鉄剤が有効との報告があります。

c.複雑部分発作――ビタミン B₆。誤り。複雑部分発作(意識減損を伴う焦点発作)の第一選択はカルバマゼピンなどの焦点発作用抗てんかん薬です。ビタミンB₆は、抗てんかん薬で止まらない乳児のビタミンB₆欠乏・依存性のけいれんに用いるもので、複雑部分発作の治療薬ではありません。

d.単純型熱性けいれん――フェニトイン。誤り。単純型熱性けいれんでは抗てんかん薬の維持投与は通常不要で、5分以上続く発作はまずベンゾジアゼピンで止めます。

e.Lennox-Gastaut 症候群――クロナゼパム。正しい。クロナゼパムはLennox-Gastaut症候群の非定型欠神発作や脱力・ミオクロニー発作に用いられ(耐性が生じやすい点に注意)、出題当時の代表的な組合せです。現在の第一選択はバルプロ酸などです。

覚えるポイント

West症候群はACTH、Lennox-Gastaut症候群はバルプロ酸・ベンゾジアゼピン系。憤怒けいれん・単純型熱性けいれんは原則抗てんかん薬不要。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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