尿細管疾患と障害部位|第106回医師国家試験A13

第106回医師国家試験 A13(2012年)

正答:b

問題

糸球体と尿細管の模式図を示す。

尿細管疾患と障害部位の組合せで誤っているのはどれか。

a.Fanconi 症候群――①

b.Liddle 症候群――②

c.Bartter 症候群――③

d.Gitelman 症候群――④

e.腎性尿崩症――⑤

糸球体と尿細管の模式図。①糸球体に続く曲がりくねった近位尿細管、②下方へ下るHenleループの細い部分(下行脚側)、③糸球体近くへ戻る太い上行脚、④糸球体付近から上方へ続く遠位曲尿細管、⑤右側を縦に走り複数の尿細管が合流する集合管。
本文図:糸球体と尿細管の模式図(①〜⑤) / 出典:厚生労働省・第106回A問題(原本の該当ページ)

正答の理由

Liddle症候群は集合管主細胞の上皮型Naチャネル(ENaC)の機能亢進により、Na再吸収とK分泌が過剰になって高血圧・低K血症・代謝性アルカローシス(低レニン・低アルドステロン)をきたす疾患です。障害部位は集合管(⑤)であり、Henleループの細い部分(②)とする組合せは誤りです。

画像の見方

問題冊子本文中の模式図。①は糸球体(ボウマン囊)に続く曲がった近位曲尿細管、②はHenleループ下行脚側の細い部分、③は糸球体へ戻る太い上行脚、④は糸球体付近から続く遠位曲尿細管、⑤は右側を縦に走り分枝が合流する集合管です。部位名の対応は図の形態からの読影で、公式に示された部位名はありません。

各選択肢の検討

a.Fanconi 症候群――①。正しい組合せ。近位尿細管の多発性輸送障害で、糖尿・リン酸尿・汎アミノ酸尿・重炭酸喪失をきたします。①は近位曲尿細管です。

b.Liddle 症候群――②。誤り(これが正答)。Liddle症候群の異常は集合管(⑤)のENaCの活性亢進で、②のHenleループ細い部分ではありません。

c.Bartter 症候群――③。正しい組合せ。Henleループの太い上行脚のNaCl再吸収障害で、ループ利尿薬を内服したのと同じ病態(低K血症・代謝性アルカローシス・尿Ca正常〜増加)になります。

d.Gitelman 症候群――④。正しい組合せ。遠位曲尿細管のNaCl共輸送体の障害で、サイアザイド内服と同じ病態(低Mg血症・低Ca尿症)を示します。

e.腎性尿崩症――⑤。正しい組合せ。集合管でバソプレシンV2受容体またはアクアポリン2の異常によりバソプレシンに反応せず、水を再吸収できません。

覚えるポイント

近位尿細管=Fanconi、太い上行脚=Bartter(ループ利尿薬様)、遠位曲尿細管=Gitelman(サイアザイド様)、集合管=Liddle(ENaC)と腎性尿崩症。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第106回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました