第106回医師国家試験 A4(2012年)
正答:c
問題
特発性血小板減少性紫斑病〈ITP〉の先行感染として最も多いのはどれか。
a.伝染性紅斑
b.突発性発疹
c.風疹
d.流行性耳下腺炎
e.溶連菌感染症
正答の理由
小児のITPはウイルス感染や予防接種が先行し、急激に発症して数週〜数か月で自然治癒することが多い病型です(難病情報センター)。選択肢の中で、ITP(血小板減少性紫斑病)を合併症として頻度つきで示されているのは風疹で、国立感染症研究所の解説では約3,000〜5,000人に1人とされています。公式正答はcです。ただし「ITPの先行感染として最も多い」ことを病型別の頻度で直接示す一次資料は今回取得できず、実際の小児ITPでは特定されない上気道ウイルス感染が先行することが多い点は留保として押さえておきます。
各選択肢の検討
a.伝染性紅斑。誤り。パルボウイルスB19は赤芽球前駆細胞を障害し、溶血性貧血患者の一過性無形成発作や胎児水腫を起こすのが特徴で、ITPの代表的先行感染としては扱われません。
b.突発性発疹。誤り。HHV-6/7による乳児の高熱と解熱後の発疹で、合併症として重要なのは熱性けいれんです。
c.風疹。正しい。風疹のまれな合併症に血小板減少性紫斑病(約3,000〜5,000人に1人)があり、選択肢の中ではITPの先行感染として最も代表的です。
d.流行性耳下腺炎。誤り。ムンプスの合併症で最も多いのは無菌性髄膜炎で、ほかに精巣炎・卵巣炎・難聴・膵炎などが重要です。ITPの先行感染としては代表的ではありません。
e.溶連菌感染症。誤り。A群溶連菌感染後の続発症はリウマチ熱と急性糸球体腎炎で、血小板減少による紫斑とは機序が異なります。
覚えるポイント
小児ITPはウイルス感染後に急性発症し自然寛解しやすい。選択肢では風疹後の血小板減少性紫斑病を想起する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第106回医師国家試験問題および正答
- 免疫性血小板減少症(指定難病63)|難病情報センター
- MSD Manual Professional Edition: Rubella
- MSD Manual Professional Edition: Immune Thrombocytopenia (ITP)
- MSD Manual Professional Edition: Erythema Infectiosum (Parvovirus B19 Infection)
- MSD Manual Professional Edition: Roseola Infantum
- MSD Manual Professional Edition: Streptococcal Infections
- 国立感染症研究所:風疹とは(2021年保存版)
- 国立感染症研究所:流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)とは(2021年保存版)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。