第106回医師国家試験 A3(2012年)
正答:c
問題
電離放射線による晩発性障害はどれか。
a.脱毛
b.頭痛
c.白内障
d.皮膚炎
e.白血球減少
正答の理由
被ばく後数か月〜数十年たって現れる障害を晩発障害といい、白内障や発がん(白血病・甲状腺癌など)が代表です。放射線白内障は約0.5 Gy以上の水晶体被ばくで、長い潜伏期(線量が高く若いほど短い)を経て発症します。脱毛・頭痛・皮膚炎・白血球減少は被ばく後数時間〜数週で現れる急性(早期)障害です。
各選択肢の検討
a.脱毛。誤り。約3〜4 Gy以上の被ばくで2〜3週以内に起こる早期障害です(高線量では永久脱毛もあります)。
b.頭痛。誤り。急性放射線症候群の前駆期症状として、被ばく後数時間以内に悪心・嘔吐とともに現れます。
c.白内障。正しい。水晶体の被ばく後、数年〜約20年の潜伏期を経て発症する晩発障害の代表です。
d.皮膚炎。誤り。紅斑・脱落性皮膚炎は被ばく後数日〜数週で起こる急性皮膚障害です(色素異常・線維化・毛細血管拡張は半年以上後の晩期変化として別に扱います)。
e.白血球減少。誤り。リンパ球は被ばく後数時間〜数日で減少し、続いて顆粒球も減る造血障害で、急性放射線症候群の早期障害です。
覚えるポイント
放射線の晩発障害は白内障と発がん、脱毛・皮膚紅斑・白血球減少・前駆症状は早期障害。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。