第105回医師国家試験 I67(2011年)
正答:e
問題
28歳の女性。妊娠36週。けいれん発作のため搬入された。家族によると、突然意識を失った後に全身のけいれんが起こったという。受診時にけいれんは治まっていたが、昏睡状態は続いている。頭部MRIのT2強調像(別冊No.21A)と拡散強調像(別冊No.21B)とを別に示す。
この患者の脳にみられる病態はどれか。
a.梗塞
b.出血
c.腫瘍
d.脱髄
e.浮腫

正答の理由
妊娠末期の全身けいれん後、頭部MRIで後頭葉優位のT2高信号を呈する病態は、子癇に伴うposterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)が典型である。PRESの本態は血管原性浮腫である。
画像の見方
T2強調像Aでは両側後頭葉を中心に高信号を認めるが、拡散強調像Bにはそれに相当する明瞭な強い高信号を認めない。血管原性浮腫に合う。
各選択肢の検討
a.梗塞急性梗塞なら拡散強調像で血管支配に沿う拡散制限が典型となる。提示画像は後方優位の浮腫性変化である。
b.出血出血はCTやT2*強調像などで血液成分を示し、提示された両側性後方病変のパターンを説明しない。
c.腫瘍腫瘍は通常局所性の占拠性病変であり、妊娠末期のけいれん後に生じた両側性病変とは合わない。
d.脱髄脱髄疾患は分布・経過が異なり、子癇に関連する急性の後方優位浮腫を説明しない。
e.浮腫正答。PRESはT2/FLAIR高信号を示す血管原性脳浮腫で、子癇は代表的な誘因である。
覚えるポイント
子癇に伴うPRESのMRI所見と血管原性浮腫。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。