肺癌の進展と上大静脈症候群|第105回医師国家試験I62

第105回医師国家試験 I62(2011年)

正答:e

問題

50歳の男性。健康診断で異常を指摘され来院した。精査の結果、肺癌と診断された。初診時の胸部エックス線写真(別冊No.18A)と胸部造影CT(別冊No.18B)とを別に示す。

最も起こりやすいのはどれか。

a.右全無気肺

b.Horner症候群

c.右腕神経叢障害

d.右反回神経麻痺

e.上大静脈症候群

別冊No.18の原本図。物理頁全体を保持。
別冊No.18 / 出典:厚生労働省・第105回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

胸部エックス線と造影CTで右肺門から縦隔に及ぶ肺癌が示される。肺門・縦隔病変は上大静脈を圧迫・浸潤し、上大静脈症候群を来しやすい。画像上、右全無気肺や肺尖部浸潤を示す所見とは異なる。

画像の見方

胸部X線では右上縦隔の拡大を認める。造影CTでは右傍気管・肺門側の腫瘤が上大静脈の走行部に接しており、右肺全体の無気肺はない。

各選択肢の検討

a.右全無気肺肺門部の主気管支閉塞で起こりうるが、提示画像は右全肺の含気消失を示していない。

b.Horner症候群肺尖部腫瘍が交感神経幹を侵すと生じる。提示画像の腫瘍は肺尖部病変ではない。

c.右腕神経叢障害肺尖部腫瘍による下位腕神経叢浸潤で起こりうるが、画像所見の中心は肺門・縦隔部である。

d.右反回神経麻痺右反回神経は鎖骨下動脈を回り喉頭へ向かうため、左側反回神経麻痺より肺癌で典型的な所見ではない。

e.上大静脈症候群正答。肺門・縦隔の腫瘍が上大静脈を圧迫・閉塞すると顔面や上肢の浮腫、頸静脈怒張などを来す。

覚えるポイント

腫瘍の位置と隣接する縦隔構造から起こる症候群を対応させる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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