心室頻拍と低左室機能の急性期対応|第105回医師国家試験I61

第105回医師国家試験 I61(2011年)

正答:b

問題

45歳の男性。動悸を主訴に救急外来を受診した。失神の既往はない。以前から2度にわたる心筋梗塞で入院加療を受けており、最近の心エコー検査による左室駆出率は20%であった。救急外来におけるモニター心電図所見(別冊No.17)を別に示す。

処置として適切でないのはどれか。

a.酸素投与

b.強心薬投与

c.β遮断薬投与

d.抗不整脈薬投与

e.植え込み型除細動器移植術

別冊No.17の原本図。物理頁全体を保持。
別冊No.17 / 出典:厚生労働省・第105回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

心筋梗塞後で左室駆出率20%の患者に心室頻拍が起きている。強心薬は心筋酸素需要と心室性不整脈を増やしうるため、本例の頻拍への処置として不適切である。まず血行動態を評価して頻拍を止め、ICD適応を検討する。

画像の見方

幅広いQRSの規則的な頻拍が連続し、その前後に狭いQRSの調律を認める。心筋梗塞後の心室頻拍を考える。

各選択肢の検討

a.酸素投与酸素化を評価し低酸素血症があれば投与する。急性期の支持療法として不適切とはいえない。

b.強心薬投与正答。収縮力・心拍数を増して心筋酸素需要や心室性不整脈を悪化させる可能性があり、この状況では適切でない。

c.β遮断薬投与心筋梗塞後の交感神経刺激を抑え、心室性不整脈や慢性心不全の予後改善に用いる。投与は血行動態を確認して行う。

d.抗不整脈薬投与心室頻拍の停止・再発抑制に用いる。薬剤は心機能と不整脈の性状に応じて選ぶ。

e.植え込み型除細動器移植術心筋梗塞後の著明な左室機能低下は突然死リスクが高く、適切な評価後の二次予防・一次予防の適応を検討する。

覚えるポイント

心筋梗塞後の低左室機能に合併する心室頻拍では、循環動態を評価し、催不整脈作用のある強心薬を安易に投与しない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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