脳膿瘍|第105回医師国家試験I42

第105回医師国家試験 I42(2011年)

正答:b

問題

61歳の女性。頭痛と嘔吐とを主訴に来院した。1週前から頭痛と嘔吐とがあり、2日前から38℃台の発熱も加わった。既往歴に副鼻腔炎がある。来院時の意識レベルはJCS Ⅰ-2。右半身の運動感覚障害、失算および失書を認める。頭部MRIの拡散強調横断像(別冊No.6A)と造影T1強調矢状断像(別冊No.6B)とを別に示す。

最も考えられるのはどれか。

a.髄膜腫

b.脳膿瘍

c.胚細胞腫

d.神経膠腫

e.転移性脳腫瘍

別冊No.6A/B:拡散強調像と造影T1強調矢状断像
別冊No.6A/B / 出典:厚生労働省・第105回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

造影MRIで中心が造影されず辺縁がリング状に造影され、拡散強調像で内部が高信号となる病変は膿性内容を示唆する。発熱と先行する副鼻腔炎も血行性または連続性の感染源として整合し、脳膿瘍が最も考えやすい。髄膜腫は硬膜付着性、神経膠腫は浸潤性を示すことが多く、胚細胞腫・転移性腫瘍を支持する病歴や画像所見ではない。

画像の見方

Aで病変中心が拡散高信号、Bで辺縁が造影され中心が非造影のリング状病変。

各選択肢の検討

a.髄膜腫。誤り。硬膜付着性の腫瘤ではなく、膿瘍腔を示すリング状病変である。

b.脳膿瘍。正しい。発熱・副鼻腔炎に加え、中心部の拡散制限と辺縁造影は膿瘍に合う。

c.胚細胞腫。誤り。この年齢と画像所見は胚細胞腫を示さない。

d.神経膠腫。誤り。浸潤性腫瘍より膿性中心をもつリング状病変が典型的である。

e.転移性脳腫瘍。誤り。原発癌の病歴・多発転移像はなく、感染徴候と拡散制限がある。

覚えるポイント

発熱を伴うリング状造影病変で中心部が拡散高信号なら、脳膿瘍を考える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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