多発性硬化症と髄液MBP|第105回医師国家試験I30

第105回医師国家試験 I30(2011年)

正答:d

問題

右半身の感覚障害と左上下肢の筋力低下とを訴える30歳台女性の頭部MRIのFLAIR像(別冊No.1A、B)を別に示す。

脳脊髄液検査で異常を示す可能性が高いのはどれか。

a.タウ蛋白

b.14-3-3蛋白

c.アミロイドβ蛋白

d.ミエリン塩基性蛋白

e.アデノシンデアミナーゼ

別冊No.1。頭部FLAIR画像A(軸位)とB(冠状断)に脳室周囲などの多発高信号病変を示す。
別冊No.1 A、B / 出典:厚生労働省・第105回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

MRIの軸位像A・冠状断像Bに脳室周囲白質などの多発FLAIR高信号病変を認め、若年女性の多巣性神経症状から多発性硬化症を考える。脱髄に伴って髄液ミエリン塩基性蛋白(MBP)が上昇しうるため、選択肢ではdを選ぶ。MBPは髄鞘破壊の指標で疾患特異性はなく、正常でもMSを否定できない。MS診断で用いる髄液特異的オリゴクローナルバンドなどとは区別する。

画像の見方

A・Bとも白質内に複数のFLAIR高信号病変があり、脳室周囲病変を含む。画像は公式別冊2頁。

各選択肢の検討

a.タウ蛋白タウ上昇は神経細胞障害・神経変性疾患でみられ、脱髄病変の代表的所見ではない。

b.14-3-3蛋白髄液14-3-3は急速進行性認知症、特にプリオン病を示唆する。

c.アミロイドβ蛋白髄液アミロイドβの変化は主にAlzheimer病の評価に用いる。

d.ミエリン塩基性蛋白正しい。脱髄に伴い髄液MBPが上昇しうる。若年女性の多発性病変と局在症状から多発性硬化症が疑われる。

e.アデノシンデアミナーゼ髄液ADA高値は結核性髄膜炎などで参考となり、脱髄の所見ではない。

覚えるポイント

脱髄疾患の画像と髄液所見

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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