術後癒着性腸閉塞が疑われる急性腹症の初期画像検査|第105回医師国家試験F21

第105回医師国家試験 F21(2011年)

正答:A

問題

72歳の男性。3日前から持続する腹痛と嘔吐とを主訴に来院した。徒歩にて来院したが、その後、腹痛が増悪し、外来処置室で横になっている。歩行はかろうじて可能である。40歳時に胃潰瘍で胃切除術を受けた。意識は清明。腹部は膨隆し、正中線上に手術痕がある。腸蠕動音は亢進し腹部全体に圧痛を認める。

まず行うべき検査はどれか。

a.腹部エックス線撮影

b.腹部血管造影

c.上部消化管バリウム造影

d.腹部MRI

e.下部消化管内視鏡検査

正答の理由

公式正答はaである。開腹術後の患者に腹部膨満、嘔吐、亢進した腸蠕動音があり、腸閉塞が疑われる。第105回の出題当時の初期検査として腹部単純X線撮影を選ぶ設問である。現在の実臨床では、閉塞の有無・原因・虚血などの合併症評価にCTが広く用いられ、ACR基準では急性腸閉塞疑いの初期画像として造影CTを通常適切としている。

各選択肢の検討

a.腹部エックス線撮影。正しい。急性腸閉塞で腸管拡張や鏡面像を確認する簡便な初期検査として、2011年の試験では選択する。

b.腹部血管造影。誤り。腸間膜虚血など血管病変を疑う場合の検査であり、まず疑う術後腸閉塞の初期検査ではない。

c.上部消化管バリウム造影。誤り。急性閉塞が疑われる患者に造影剤を経口投与する検査を最初に行う選択ではない。

d.腹部MRI。誤り。本設問では迅速かつ簡便に腸管拡張・鏡面像を確認できる腹部X線を優先する。MRIは撮像時間や実施体制に制約があり、ここで最初に選ぶ検査ではないが、現行ACRでは状況により適切となりうる。

e.下部消化管内視鏡検査。誤り。腸管拡張・嘔吐を伴う急性閉塞疑いで最初に行う検査ではなく、閉塞がある場合は穿孔などの危険もある。

覚えるポイント

正答は2011年の出題文脈に沿って腹部単純X線撮影。現在は急性小腸閉塞の初期評価でCTが通常適切とされるため、試験当時と現行診療を区別する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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