妊娠中のインフルエンザ治療|第105回医師国家試験E40

第105回医師国家試験 E40(2011年)

正答:c

問題

32歳の1回経産婦。妊娠37週。発熱と呼吸器症状とを主訴に来院した。1日前から全身倦怠感を自覚していた。前夜就寝前には、体温は36.8°Cであった。本日朝、全身倦怠感の増悪とともに、咳と熱感とを自覚した。3歳の長女がインフルエンザと診断されている。意識は清明。体温38.4°C。脈拍92/分、整。血圧102/68 mmHg。インフルエンザウイルス迅速抗原検査でA型陽性であった。対応として適切なのはどれか。

a.入院隔離

b.緊急帝王切開

c.抗インフルエンザ薬投与

d.インフルエンザワクチン接種

e.非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)投与

正答の理由

公式正答はc。妊娠中はインフルエンザの重症化リスクがあり、発症早期の抗インフルエンザ薬治療を開始する。ワクチンは感染前の予防であり、既に発症した症例の治療ではない。妊娠37週でも帝王切開を行う理由はなく、感染だけを理由とした入院隔離も提示情報からは必要とならない。これは2011年の出題と正答に対する説明であり、現行の抗ウイルス薬選択・用量は最新の妊娠診療指針に従う。

各選択肢の検討

a.入院隔離。誤り。呼吸・循環が安定し、意識清明で、入院を要する重症所見は提示されていない。感染対策は行うが入院隔離が一律に必要とはいえない。

b.緊急帝王切開。誤り。妊娠37週であることやインフルエンザ感染だけを理由に、緊急分娩を行う適応はない。

c.抗インフルエンザ薬投与。正しい。妊娠中の疑い例・確定例では、発症後できるだけ早い抗ウイルス薬治療が推奨される。

d.インフルエンザワクチン接種。誤り。ワクチンは予防目的であり、発症したA型インフルエンザの治療にはならない。

e.非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)投与。誤り。NSAIDはウイルスに対する治療薬ではなく、本症例の病因治療は抗インフルエンザ薬である。妊娠後期の薬剤使用は産科的安全性も考慮する。

覚えるポイント

妊娠中のインフルエンザでは、迅速検査結果を待って治療を遅らせず、発症早期に抗ウイルス薬を開始する。2011年の設問の正答と現行の処方指針を区別する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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