疥癬|第105回医師国家試験D33

第105回医師国家試験 D33(2011年)

正答:a

問題

38歳の女性。看護師。全身の強い痒みを主訴に来院した。2か月前から全身に痒みがあり、この1週間は痒みのために夜も眠れないという。腋窩、乳房下、臍の周囲および陰部に赤い丘疹がみられる。夫と子どもとの3人暮らしで、ネコを室内で飼っている。丘疹部から採取した検体の顕微鏡写真(別冊No.10)を別に示す。

診断はどれか。

a.疥癬。

b.マダニ症。

c.ネコノミ症。

d.ケジラミ症。

e.コロモジラミ症。

顕微鏡下にダニ様の虫体と卵様構造を認める。
別冊No.10 / 出典:厚生労働省・第105回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

顕微鏡下の疥癬虫体により確定的である。疥癬は夜間増悪する強い痒みと、腋窩・乳房周囲・臍・陰部などの丘疹を呈する。

画像の見方

標本中央上部に大型のダニ様虫体を認め、その周囲に皮膚由来成分と卵様構造がみられる。

各選択肢の検討

a.疥癬。正しい。夜間に強い全身性の痒み、腋窩・乳房下・臍周囲などの丘疹に加え、顕微鏡で疥癬虫体を確認している。

b.マダニ症。誤り。マダニは皮膚に吸着した虫体を認めることが多く、皮膚掻爬検体中の小型ダニ・虫卵と夜間優位の広範な痒みという所見ではない。

c.ネコノミ症。誤り。ネコノミは動物から刺咬されて痒い丘疹を来し得るが、検体中に疥癬虫を認める所見は説明できない。

d.ケジラミ症。誤り。主に陰毛部に寄生し、毛幹上の虫体・卵が手掛かりとなる。全身の典型部位と採取検体所見に合わない。

e.コロモジラミ症。誤り。衣類の縫い目などに虫体や卵が付着し、衣服と接する体幹部などに痒い皮疹を生じる。皮膚から採取した検体の疥癬虫・虫卵とは形態が異なる。

覚えるポイント

飼い猫という情報だけでノミと決めず、皮疹の分布・夜間の痒み・顕微鏡で確認された虫体を合わせて診断する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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