von Hippel-Lindau病|第105回医師国家試験D30

第105回医師国家試験 D30(2011年)

正答:e

問題

20歳の男性。頭痛を主訴に来院した。3週前から頭痛が出現し徐々に増強してきた。食欲がなくなり、歩行時にふらつきもみられた。母と叔父とが脳腫瘍の手術を受けている。入院時血圧180/100 mmHg。失調性歩行を認め、入院後も血圧高値が持続している。眼底検査で網膜血管腫を認める。腹部CTで左副腎に腫瘤を認める。頭部造影MRIのT1強調矢状断像(別冊No.8)を別に示す。最も考えられるのはどれか。

a.Chiari奇形

b.結節性硬化症

c.神経線維腫症1型

d.Sturge-Weber症候群

e.von Hippel-Lindau病

別冊No.8の頭部造影MRI T1強調矢状断像
No.8 / 出典:厚生労働省・第105回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

網膜血管腫、後頭蓋窩血管芽腫を疑う症状・画像、副腎褐色細胞腫を示唆する腫瘤、家族歴からvon Hippel-Lindau病が最も考えられる。

画像の見方

No.8造影T1矢状断像で後頭蓋窩小脳に嚢胞性病変と強く造影される壁在結節を認め、血管芽腫に合う。頭尾方向・画像ラベルを保持。

各選択肢の検討

a.Chiari奇形。誤り。後頭蓋窩構造の大後頭孔下方への偏位は頭痛や小脳症状を来すが、網膜血管腫・副腎腫瘤・家族内発症を一元的に説明しない。

b.結節性硬化症。誤り。皮膚病変、てんかん、腎血管筋脂肪腫などが特徴で、網膜血管腫と中枢神経血管芽腫の組合せではない。

c.神経線維腫症1型。誤り。カフェオレ斑、神経線維腫、視神経膠腫などが特徴であり、本例の網膜・小脳血管芽腫の組合せはVHL病を強く支持する。副腎褐色細胞腫は神経線維腫症1型でも起こりうるため、それだけを鑑別点にしない。

d.Sturge-Weber症候群。誤り。顔面ポートワイン母斑、軟膜血管腫、緑内障が主徴で、常染色体優性の家族集積を通常示さない。

e.von Hippel-Lindau病。正しい。網膜血管腫、小脳血管芽腫を示唆する失調・頭蓋内病変、褐色細胞腫を疑う副腎腫瘤と家族歴が一つの遺伝性腫瘍症候群で説明できる。

覚えるポイント

VHL病は網膜・中枢神経系血管芽腫、腎細胞癌、褐色細胞腫などを生じる常染色体優性腫瘍症候群。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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