第105回医師国家試験 A58(2011年)
正答:ABE
問題
52歳の男性。胸部圧迫感を主訴に来院した。
1か月前から仰向けに寝ると前胸部に違和感を自覚していた。
心音と呼吸音とに異常を認めない。初診時の胸部造影CT(別冊No.22)を別に示す。
診断に必要な検査項目はどれか。3つ選べ。
a.可溶性IL-2受容体
b.絨毛性ゴナドトロピン
c.抗ミトコンドリア抗体
d.抗サイログロブリン抗体
e.抗アセチルコリン受容体抗体

正答の理由
造影CTの前縦隔腫瘤では、胸腺上皮性腫瘍、リンパ腫、胚細胞腫瘍などを鑑別します。可溶性IL-2受容体はリンパ腫の評価、絨毛性ゴナドトロピン(β-hCG)は胚細胞腫瘍の評価に用います。胸腺腫では重症筋無力症を合併し得るため、抗アセチルコリン受容体抗体を確認します。
画像の見方
前縦隔に腫瘤を認め、胸腺腫を含む前縦隔腫瘍の鑑別を要する。
各選択肢の検討
a.可溶性IL-2受容体:リンパ腫の評価に用いる補助マーカーです。非特異的であり、この値だけでリンパ腫を確定しません。正答。
b.絨毛性ゴナドトロピン:胚細胞腫瘍の評価に用います。正答。
c.抗ミトコンドリア抗体:胆汁うっ滞性肝疾患などの自己抗体であり、前縦隔腫瘤の鑑別検査ではありません。
d.抗サイログロブリン抗体:甲状腺自己免疫疾患の評価に用い、前縦隔腫瘤の鑑別には通常用いません。
e.抗アセチルコリン受容体抗体:胸腺腫に合併する重症筋無力症の評価に用います。正答。
覚えるポイント
前縦隔腫瘍の鑑別検査
出典・参考資料
- 厚生労働省:第105回医師国家試験問題および正答
- Thymic epithelial tumours: ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up
- 造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版):悪性リンパ腫 総論 | 日本血液学会
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。