第105回医師国家試験 A1(2011年)
正答:c
問題
E型肝炎ウイルスについて正しいのはどれか。
a.母子感染する。
b.肝硬変の原因となる。
c.劇症肝炎の原因となる。
d.熱処理で不活化しない。
e.B型肝炎ウイルスとの重複感染が多い。
正答の理由
E型肝炎は多くが急性・自己限定性ですが、まれに劇症肝炎を起こし、妊娠後半では重症化リスクが高まります。公式正答はcです。ただし母子感染や免疫抑制患者の慢性化・肝硬変も報告されており、a・bを医学的に一律否定することはできません。公式キーと、現在確認されている感染経路・経過を区別して学習します。
各選択肢の検討
a.母子感染する。公式キーでは選ばれない。HEVは流行地域などで母体から胎児への垂直感染が報告されており、母子感染そのものを否定するのは不正確です。一般的な主感染経路は糞口感染や加熱不十分な食肉からの感染です。
b.肝硬変の原因となる。誤り(公式キー上)。通常は急性・自己限定性ですが、臓器移植後など免疫抑制患者では慢性化し、肝線維化から肝硬変へ進む例があります。一般集団での典型的経過とは異なります。
c.劇症肝炎の原因となる。正しい。E型肝炎はまれに急性肝不全を起こし、妊娠後半では重症化や死亡の危険が特に高まります。
d.熱処理で不活化しない。誤り。主に食肉を介する遺伝子型では、十分な加熱が感染予防に重要です。
e.B型肝炎ウイルスとの重複感染が多い。誤り。HEVとHBVの同時感染は起こり得ますが、一般的なHEV感染の特徴として重複感染が多いとはいえません。
覚えるポイント
E型肝炎は通常急性だが、妊娠後半の重症化と免疫抑制患者の慢性化が例外。出題時の公式キーと現在の例外を分ける。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。