伝染性紅斑と妊婦への感染|第104回医師国家試験I64

第104回医師国家試験 I64(2010年)

正答:b

問題

6歳の女児。両頬が赤いことを主訴に来院した。数日前に37 ℃台の発熱があった。3日前から頬が赤くなり、上腕伸側と大腿前面にもレース様の紅斑を認めた。軽度の痒みがある。全身状態は良好である。

親への問診項目として重要なのはどれか。

a.父の職業

b.母の現時点での妊娠の有無

c.弟のワクチン歴

d.家族の膠原病の有無

e.家族のアレルギー疾患の有無

正答の理由

頬の紅斑に続く四肢のレース様紅斑で全身状態は良好であり、パルボウイルスB19による伝染性紅斑です。小児では通常治療を要しませんが、妊婦が感染すると胎盤を介して胎児に感染し、流産・死産や重度貧血による胎児水腫を起こすことがあります。したがって同居する母の妊娠の有無を確かめることが重要です。

各選択肢の検討

a.父の職業。誤り。父の職業によって本児の診断や家族内の高リスク者への対応が変わる事情は、この症例にはありません。問診で優先するのは胎児感染の危険がある妊婦の有無です。

b.母の現時点での妊娠の有無。正しい。妊婦の感染は流産、死産、胎児水腫につながることがあります。妊婦の約半数は既感染で免疫を持ちますが、妊娠中なら抗体確認や胎児の評価につなげます。

c.弟のワクチン歴。誤り。確認した公的資料ではパルボウイルスB19を予防するワクチンはないとされ、弟の接種歴から感染の危険は判断できません。家族内の二次感染は多いものの、問診で確かめるべきなのは感染した場合の影響が大きい妊婦の有無です。

d.家族の膠原病の有無。誤り。両頬の紅斑はSLEの鑑別に挙がりえますが、発熱後に四肢へ広がるレース様紅斑で全身状態良好という経過は感染性の発疹症に典型的で、家族の膠原病歴は重要度が低いです。

e.家族のアレルギー疾患の有無。誤り。軽い痒みはありますが皮疹はウイルス感染によるもので、アレルギー疾患の家族歴を聞いても診断と対応は変わりません。

覚えるポイント

伝染性紅斑をみたら、家族や周囲の妊婦の有無を確認する(胎児水腫の危険)。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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