第104回医師国家試験 I48(2010年)
正答:c
問題
15歳の女子。学校の健康診断で心雑音を指摘され来院した。小児期から強度の近視と漏斗胸とを指摘されているが、健常な生活を送っている。身長168 cm、体重48 kg。脈拍72/分、整。血圧118/72 mmHg。心エコー図(別冊No. 7)を別に示す。
心雑音の特徴はどれか。
a.連続性
b.収縮期・低調
c.収縮期・高調
d.拡張期・低調
e.拡張期・高調

正答の理由
高身長でやせ型、強度近視、漏斗胸があり、Marfan症候群を考えます。No. 7の収縮期像で僧帽弁尖が左房側へたわみ、僧帽弁逸脱に合致します。MSDでは、逆流を伴う僧帽弁逸脱はクリックに続く収縮後期の逆流性雑音を生じます。また、僧帽弁逆流の雑音は聴診器の膜型でよく聴こえ、高調な音は膜型でよく聴こえるとされており、公式正答の「収縮期・高調」と整合します。資料が雑音そのものを「高調」と明記しているわけではありません。
画像の見方
左が拡張期、右が収縮期の傍胸骨長軸像で、右室・左室・大動脈・左房の表示がある。収縮期に僧帽弁尖が弁輪を越えて左房側へたわむ。
各選択肢の検討
a.連続性。誤り。収縮期と拡張期にまたがる雑音で、動脈管開存症などに典型的です。僧帽弁逸脱の逆流は収縮期に限られます。
b.収縮期・低調。誤り。時相は合いますが、低調な音はベル型でよく聴こえる音です。僧帽弁逆流の雑音は膜型でよく聴こえるとされ、高調の性質と合います。
c.収縮期・高調。正しい。僧帽弁逸脱に伴う逆流の雑音で、本例の心エコーと合います。
d.拡張期・低調。誤り。僧帽弁狭窄症の拡張期ランブルの特徴で、本例の弁尖の異常は収縮期の逸脱です。
e.拡張期・高調。誤り。大動脈弁逆流の特徴です。Marfan症候群では大動脈基部拡大から起こり得ますが、提示された図の主所見は僧帽弁の収縮期の逸脱です。
覚えるポイント
Marfan症候群は大動脈基部だけでなく僧帽弁逸脱も起こし、逆流の雑音は収縮期に聴こえる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Marfan Syndrome
- Mitral Valve Prolapse
- Mitral Regurgitation
- Cardiac Auscultation
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。