第104回医師国家試験 I21(2010年)
正答:e
問題
急性膵炎で血中に増加しないのはどれか。
a.ブドウ糖
b.LD
c.アミラーゼ
d.リパーゼ
e.カルシウム
正答の理由
急性膵炎では血清カルシウムは上昇ではなく低下する方向に動き、低カルシウム血症は重症度の指標にも使われます。一方、膵酵素のアミラーゼ・リパーゼは上昇し、血糖やLDも上昇して予後因子に数えられます。したがって増加しないのはカルシウムです。
各選択肢の検討
a.ブドウ糖。増加する。急性膵炎では高血糖がみられ、日本の重症度判定でも空腹時血糖200 mg/dl以上が予後因子に含まれます。
b.LD。増加する。同じ判定基準でLDH 700 IU/l以上が予後因子の一つに挙げられ、上昇が重症度の評価に使われます。
c.アミラーゼ。増加する。血清アミラーゼの上昇は、臨床像・画像とともに急性膵炎の診断を支える基本の検査です。
d.リパーゼ。増加する。アミラーゼと並ぶ膵酵素で、血清値の上昇が診断に用いられます。
e.カルシウム。正しい(増加しない)。低カルシウム血症を起こし、Ca 7.5 mg/dl以下は重症度判定の予後因子です。低マグネシウム血症の合併にも注意します。
覚えるポイント
急性膵炎で上がるのは膵酵素・血糖・LD、下がるのはカルシウム。低Caは重症度の指標になる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Acute Pancreatitis – Gastroenterology – MSD Manual Professional Edition
- JPN Guidelines for the management of acute pancreatitis: severity assessment of acute pancreatitis
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。