呼吸器疾患と治療薬の組合せ|第104回医師国家試験I12

第104回医師国家試験 I12(2010年)

正答:c

問題

疾患と治療薬の組合せで正しいのはどれか。

a.肺血栓塞栓症 ── マクロライド

b.アスピリン喘息 ── インドメタシン

c.特発性間質性肺炎 ── 副腎皮質ステロイド

d.サルコイドーシス ── 抗コリン吸入薬

e.慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉 ── ワルファリン

正答の理由

他の4肢は治療薬の明らかな取り違えで、消去によりcが残ります。出題当時の難病情報センターの医療従事者向け解説(厚生労働省研究班、平成22年2月10日更新)も、特発性間質性肺炎には一般にステロイドや免疫抑制薬を中心とした治療薬を用いるとしていました。ただし同解説でも特発性肺線維症(IPF)は他の病型と分けて扱い、ステロイドと免疫抑制剤の併用は暫定的な推奨で有効性は証明されていないとしています。現在はIPFに抗線維化薬が用いられ、ステロイドは勧められません。公式正答はcですが、病型を問わずステロイドが効くという意味ではありません。

各選択肢の検討

a.肺血栓塞栓症 ── マクロライド。誤り。治療の中心は抗凝固療法で、抗菌薬であるマクロライドは血栓に作用しません。

b.アスピリン喘息 ── インドメタシン。誤り。アスピリン喘息はNSAIDsの投与で喘息発作が誘発される病態で、NSAIDであるインドメタシンは発作を起こす側の薬です。

c.特発性間質性肺炎 ── 副腎皮質ステロイド。正しい(公式正答)。当時の解説ではIPF以外の病型に診断当初からステロイドや免疫抑制剤を用いるとされ、現在も器質化肺炎や非特異性間質性肺炎では標準的に用います。一方、現在のIPFでは抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)が用いられ、ステロイドは勧められません。

d.サルコイドーシス ── 抗コリン吸入薬。誤り。治療が必要な例の標準はプレドニゾンなどのステロイド内服です。抗コリン吸入薬はCOPDの薬です。

e.慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉 ── ワルファリン。誤り。COPDの薬物療法は長時間作用型抗コリン薬やβ刺激薬の吸入が中心です。ワルファリンは抗凝固薬で、本来の組合せ相手は肺血栓塞栓症です。

覚えるポイント

肺血栓塞栓症は抗凝固、サルコイドーシスはステロイド、COPDは抗コリン吸入、アスピリン喘息にNSAIDs禁忌。IPFへのステロイドは現在は勧められない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第104回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました