甲状腺乳頭癌の診断所見|第104回医師国家試験I7

第104回医師国家試験 I7(2010年)

正答:d

問題

甲状腺乳頭癌の診断に最も有用なのはどれか。

a.CEA 高値

b.TSH 低値

c.サイログロブリン高値

d.超音波検査で点状高エコー像

e.頸部エックス線写真で粗大石灰化像

正答の理由

超音波の点状高エコーは微細石灰化に相当します。米国甲状腺学会ガイドライン(2015年、出題後の指針)は、微細石灰化を甲状腺癌(大半が乳頭癌)に対する特異度の高い超音波所見の一つに挙げています。血液検査で乳頭癌を診断することはできず、正解はdです。なお確定は穿刺吸引細胞診で行います。

各選択肢の検討

a.CEA 高値。誤り。CEAはカルシトニンとともに髄様癌のバイオマーカーとして用いられます。髄様癌は傍濾胞細胞由来の別の組織型です。米国甲状腺学会ガイドラインの結節の初期評価の項目にCEAは挙がっておらず、乳頭癌の診断の決め手になりません。

b.TSH 低値。誤り。TSH低値は機能性結節の評価につながる所見で、機能性結節が悪性であることはまれです。悪性を示す所見にはなりません。

c.サイログロブリン高値。誤り。結節の初期評価で血清サイログロブリンの一律測定は推奨されていません。主な役割は分化癌術後の再発の監視です。

d.超音波検査で点状高エコー像。正しい。微細石灰化は不整な辺縁、縦長の形状とともに特異度の高い所見(中央値90%超)とされます。ただし単独の所見としての感度は高くありません。

e.頸部エックス線写真で粗大石灰化像。誤り。結節の画像評価はまず頸部超音波で行います。同ガイドラインは超音波の所見として、粗大石灰化は微細石灰化を伴えば同じ悪性リスクを示すものの、粗大石灰化単独では甲状腺癌との関連が一定しないとしています。単純X線の粗大石灰化も乳頭癌の診断の決め手になりません。

覚えるポイント

乳頭癌は超音波の微細石灰化(点状高エコー)で疑い、穿刺吸引細胞診で確定する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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