伝染性単核球症の特徴|第104回医師国家試験I5

第104回医師国家試験 I5(2010年)

正答:b

問題

伝染性単核球症で正しいのはどれか。

a.末梢血では単球が増加する。

b.心筋炎の合併はまれである。

c.治療薬としてアンピシリンを用いる。

d.EB ウイルスによる垂直感染が原因である。

e.EBNA〈Epstein-Barr nuclear antigen〉抗体は急性期に陽性になる。

正答の理由

EBウイルスは心筋炎の原因ウイルスの一つに挙げられますが、健常者のEBウイルス感染で心病変が現れることはまれとされます。主な重篤合併症は気道閉塞、脾破裂、神経合併症です。正解はbです。他の肢は血液像、治療、感染経路、抗体の出現時期のいずれかが誤っています。

各選択肢の検討

a.末梢血では単球が増加する。誤り。増えるのはリンパ球で、形態異常を示す異型リンパ球(主にCD8陽性T細胞)が白血球の最大30%を占めます。「単核球症」という名称に引きずられないようにします。

b.心筋炎の合併はまれである。正しい。EBウイルスは心筋炎の原因の一つに挙げられますが、確認した症例報告(2025年)は、健常者の感染で心病変を呈することはまれと記しています。MSDマニュアルの伝染性単核球症の項にも心筋炎は挙げられていません。ただし頻度を示す疫学データは確認できていません。

c.治療薬としてアンピシリンを用いる。誤り。ウイルス感染なので抗菌薬は原因治療になりません。アンピシリン投与後の発疹も知られています(近年は抗菌薬が発疹を増やさないとする報告もあります)。

d.EB ウイルスによる垂直感染が原因である。誤り。主な感染経路はキスなど唾液を介する水平感染で、無症状で排泄している既感染者からうつることが多く、輸血でも感染し得ます。

e.EBNA〈Epstein-Barr nuclear antigen〉抗体は急性期に陽性になる。誤り。EBNA-IgG抗体は感染後2〜4か月ほど遅れて出現し、生涯持続します。急性期にEBNA抗体が陰性であることが初感染の手がかりになります。

覚えるポイント

伝染性単核球症は異型リンパ球と唾液感染。EBNA抗体は遅れて陽性、アンピシリンは発疹に注意。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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