進行乳癌の悪い知らせの伝え方|第104回医師国家試験H26

第104回医師国家試験 H26(2010年)

正答:e

問題

54歳の女性。左乳房のしこりを主訴に来院した。左乳房の上外側領域に4cm大の可動性のある腫瘤を認める。検査で同側鎖骨上リンパ節転移と転移性肺癌とが見つかった。

結果説明として適切なのはどれか。

a.まず家族に伝える。

b.不安を招かないよう肺の炎症として伝える。

c.患者の感情とは無関係に一方的に事実を伝える。

d.患者が感情的になったときは即座に説明を中止する。

e.まず患者の認識や説明に対する希望を確認してから説明する。

正答の理由

悪い知らせを伝える手順SPIKESでは、説明の前に患者がどう理解しているかを尋ね、どの程度の情報を望むかを確認します。「伝える前に尋ねる」ことで、誤解を正し、本人の理解と希望に合わせて説明できます。遠隔転移を伴う進行癌の説明はこの順序で進め、感情には共感的に応えながら今後の方針へつなげます。

各選択肢の検討

a.不適切。自分の健康状態を知る権利は患者本人にあり、誰に伝えるかを選ぶのも本人です。本人の意思を確かめる前に家族へ伝える順序は逆です。

b.不適切。肺転移を炎症と伝えるのは虚偽の説明です。情報を控えるのは生命や健康に重大な危険がある例外に限られ、不安の回避だけでは理由になりません。

c.不適切。患者の反応に応える共感的な対応は説明の必須の段階です。一方的な告知は理解を妨げ、苦痛を強めます。

d.不適切。涙や沈黙、怒りは当然の反応で、まず感情に気づき、それを受け止める言葉を返します。説明を打ち切らず、必要なら本人の希望に沿って間をとります。

e.正しい。患者の認識(Perception)と説明への希望(Invitation)の確認にあたります。詳細を望まない場合は、後日の質問や家族への説明を提案できます。

覚えるポイント

悪い知らせは「伝える前に尋ねる」。認識と希望を確認し、本人に合わせて伝え、感情に共感的に応える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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