第104回医師国家試験 H15(2010年)
正答:a
問題
染色の手順(別冊No. 1 ①〜④)を別に示す。
この染色はどれか。
a.Gram染色
b.H-E染色
c.May-Giemsa染色
d.Papanicolaou染色
e.Ziehl-Neelsen染色

正答の理由
Gram染色の手順は、クリスタル紫で全体を染め(①)、ヨウ素液で色素を固定し(②)、エタノールなどで脱色し(③)、赤色の色素で後染色します(④)。紫、橙褐、色抜け、赤という写真の順序はこの4段階に一致するのでaです。厚いペプチドグリカン層をもつ菌は紫のまま残り、脱色された菌は後染色の色になります。
画像の見方
①スライド全体に濃い紫黒色の液、②橙褐色の液が載り塗抹部が暗紫色に見える、③色が抜けて淡紫色、④赤色の液の順です。写真に試薬名の記載はなく、本解説の読影ではクリスタル紫→ヨウ素液→脱色→赤色の後染色に対応します。
各選択肢の検討
a.Gram染色。正しい。一次染色、媒染、脱色、後染色という手順と色の変化が写真に合致します。
b.H-E染色。誤り。ヘマトキシリンで核を青紫に、エオジンで細胞質などを桃〜赤に染める組織の染色で、紫黒色の一次染色の後に橙褐色のヨウ素液を載せる段階がありません。
c.May-Giemsa染色。誤り。エオジンとメチレンブルー系の色素を組み合わせるRomanowsky系の染色で、ヨウ素液による媒染と脱色の工程がありません。
d.Papanicolaou染色。誤り。細胞試料の観察に用いる染色です。ヨウ素液の媒染と脱色で細菌を染め分けるGram染色とは目的が異なります。
e.Ziehl-Neelsen染色。誤り。抗酸菌染色で、一次染色はカルボールフクシン(赤)です。脱色後にメチレンブルーで対比染色するので、色の順序が写真と逆になります。
覚えるポイント
Gram染色は紫(クリスタル紫)→ヨウ素液→脱色→赤の後染色。抗酸菌染色は赤→脱色→青。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- 2.4 Staining Microscopic Specimens – Microbiology (OpenStax)
- Staining – Wikipedia
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。