第104回医師国家試験 H9(2010年)
正答:a
問題
黄疸を起こしにくいのはどれか。
a.脂肪肝
b.肝硬変
c.肝癌
d.胆管炎
e.膵癌
正答の理由
黄疸は、肝細胞の機能障害、肝内胆汁うっ滞、肝外胆管の閉塞で起こります。単純な脂肪肝は通常無症状で、この3つのいずれにもあたりにくいのでaが正答です。ただし脂肪性肝炎や肝硬変へ進むと黄疸の原因になりえます。「脂肪肝だから決して黄疸が出ない」という意味ではありません。
各選択肢の検討
a.脂肪肝。正しい。脂肪肝の多くは症状がありません。黄疸が目立つなら、進行した肝障害や別の原因を考えます。
b.肝硬変。誤り。肝細胞からの胆汁分泌の低下が胆汁うっ滞と黄疸につながります。
c.肝癌。誤り。肝細胞癌の多くは肝硬変を背景に発生し、その肝機能障害が黄疸の原因になります。腫瘍と黄疸の直接の関係は、確認した資料では詳しく述べられていません。
d.胆管炎。誤り。胆管閉塞に感染が加わった病態で、腹痛・黄疸・発熱または悪寒はCharcot三徴と呼ばれます。
e.膵癌。誤り。膵頭部の腺癌では80〜90%に閉塞性黄疸が出ます。膵体尾部の癌では出にくいという部位差があります。
覚えるポイント
黄疸の機序は肝細胞障害・肝内胆汁うっ滞・肝外閉塞の3つ。単純な脂肪肝はいずれにもあたりにくい。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Jaundice – MSD Manual Professional Edition
- Steatotic Liver Disease – MSD Manual Consumer Version
- Cirrhosis – MSD Manual Professional Edition
- Hepatocellular Carcinoma – MSD Manual Professional Edition
- Choledocholithiasis and Cholangitis – MSD Manual Professional Edition
- Pancreatic Cancer – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。