週数ごとの正常な妊娠経過|第104回医師国家試験H1

第104回医師国家試験 H1(2010年)

正答:c

問題

妊娠経過で異常なのはどれか。

a.妊娠10週で妊娠悪阻がある。

b.妊娠18週で胎動を感じない。

c.妊娠32週で推定胎児体重が1,000 gである。

d.妊娠36週で羊水指数〈AFI〉が10 cmである。

e.妊娠38週で子宮口が2 cm開大している。

正答の理由

日本超音波医学会が2003年に公示し、日本産科婦人科学会が2005年に採用した基準では、妊娠32週の推定胎児体重は平均約1,800 g、−2.0 SDで約1,370 gです(基準値を掲載した医療機関の解説表による)。WHOの胎児発育曲線でも中央値は約1,900 g、2.5パーセンタイルは約1,470 gです。1,000 gはいずれも大きく下回り、胎児発育不全を疑って評価すべき値なので、cが異常です。ほかの肢はその週数で起こりうる所見です。

各選択肢の検討

a.妊娠10週で妊娠悪阻がある。誤り(週数として異常とはいえない)。悪心・嘔吐は主に妊娠初期に起こる症状です。経口摂取ができず脱水などを伴う重症例は妊娠悪阻として治療しますが、10週という時期に現れること自体は経過から外れません。

b.妊娠18週で胎動を感じない。誤り。母体が胎動を自覚し始めるのは通常16〜20週ごろなので、18週でまだ感じなくても異常とはいえません。

c.妊娠32週で推定胎児体重が1,000 gである。正しい。国内基準の−2.0 SD(約1,370 g)もWHO曲線の2.5パーセンタイル(約1,470 g)も大きく下回り、胎児発育不全を疑う値です。

d.妊娠36週で羊水指数〈AFI〉が10 cmである。誤り。羊水過少の超音波基準はAFI 5 cm以下で、10 cmはこれを十分に上回ります。

e.妊娠38週で子宮口が2 cm開大している。誤り。38週は正期産の時期で、分娩は予定日の前後2週間に始まることが多く、頸管の展退と開大が始まっていても矛盾しません。分娩進行としての評価は陣痛の有無と合わせて行います。

覚えるポイント

妊娠32週の推定胎児体重は約1,800〜1,900 gが目安。1,000 gは週数に比べ著しく小さい。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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