くも状血管腫と肝疾患の検索|第104回医師国家試験G50

第104回医師国家試験 G50(2010年)

正答:c

問題

54歳の男性。皮疹を主訴に来院した。数か月前から頸部、前胸部および両上腕伸側に紅色皮疹が出現し、徐々に増数、拡大してきた。皮疹は圧迫で消退する。頸部から前胸部にかけての写真(別冊No. 8)を別に示す。

行う検査はどれか。

a.頭部 MRI

b.胸部エックス線撮影

c.腹部超音波検査

d.サーモグラフィー

e.ガリウムシンチグラフィ

頸部から前胸部の写真。正中付近を中心に小さな紅色斑が散在し、一部は星状にみえる。
別冊No. 8 / 出典:厚生労働省・第104回G別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

頸部から上胸部に散在し、圧迫で消退する紅色の血管性皮疹から、くも状血管腫を考えます。慢性肝疾患や慢性の飲酒を示唆する皮膚所見の一つであり、肝硬変の評価には腹部超音波が基本の画像検査です。公式正答はcです。

画像の見方

本解説の読影では、頸部から前胸部に小さな紅色斑が散在し、前胸部正中にはびまん性の発赤が重なります。拡大すると一部の紅斑は中心から細い枝を伸ばす星状にみえ、くも状血管腫に合います。印刷写真のため中心の細動脈までは確認できず、問題文の分布と圧迫での消退を合わせて判断します。肝硬変に特異的ではない所見です。

各選択肢の検討

a.頭部 MRI。誤り。問題文に頭蓋内病変を示す症状の記載がなく、皮疹の評価に頭部MRIを行う根拠はありません。

b.胸部エックス線撮影。誤り。問題文に呼吸器症状の記載がなく、くも状血管腫から第一に調べる臓器は肝です。

c.腹部超音波検査。正しい。進行した肝硬変で小さく結節状の肝を示し、門脈圧亢進や腹水も検出できます。

d.サーモグラフィー。誤り。赤外線で皮膚表面の温度を画像化する検査で、肝疾患の評価にはつながりません。

e.ガリウムシンチグラフィ。誤り。腫瘍の鑑別や感染の評価などに用いられる核医学検査で、まず肝の形態を評価する本例の初期検査には適しません。

覚えるポイント

上半身のくも状血管腫をみたら慢性肝疾患を疑う。肝の評価はまず腹部超音波。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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