認知症のケアと周辺症状|第104回医師国家試験G26

第104回医師国家試験 G26(2010年)

正答:e

問題

認知症で正しいのはどれか。

a.患者のQOLは測定できない。

b.環境が変わると認知機能が改善する。

c.がん疼痛のコントロールが困難である。

d.リハビリテーションの対象にならない。

e.情動障害などの周辺症状はかかわり方によって改善する。

正答の理由

周辺症状(BPSD)は環境やケアの影響を大きく受け、治療の基本は適切なケアです。本人の立場に立った対応で軽減すると、認知症疾患治療ガイドライン2010に示されています。公式正答はeです。

各選択肢の検討

a.患者のQOLは測定できない。誤り。認知症専用のQOL尺度が複数開発され、本人の評価と介護者などの代理評価が検討されています。

b.環境が変わると認知機能が改善する。誤り。軽度〜中等度の患者は慣れた環境で最もよく機能するとされます。環境の変化には説明と慣れるための時間が必要で、変えれば改善するものではありません。

c.がん疼痛のコントロールが困難である。誤り(単一選択で最も適切なのはe)。認知症では痛みの評価が難しく、鎮痛薬が過少になりやすいことが問題です。高齢のがん患者でも、認知機能の低さが鎮痛薬処方の少なさの予測因子と報告されています。これは評価と処方の問題で、認知症だから疼痛を制御できないことを示すものではありません。除痛の成績を直接比較したデータは確認できていません。

d.リハビリテーションの対象にならない。誤り。リハビリテーションは認知機能・生活能力・QOLの向上を目的とし、薬物療法の前に介入を考慮すべきものとされています。

e.情動障害などの周辺症状はかかわり方によって改善する。正しい。周辺症状を「問題行動」でなく本人の気持ちの表現ととらえ、その立場で対応すると軽減につながります。

覚えるポイント

BPSD治療の第一歩はケアと環境調整で、薬物はその次。QOL評価もリハビリも認知症で可能。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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