第104回医師国家試験 G21(2010年)
正答:c・d・e
問題
有機リン中毒でみられるのはどれか。3つ選べ。
a.血尿
b.口渇
c.縮瞳
d.発汗
e.けいれん
正答の理由
有機リンはコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリンが過剰に働きます。縮瞳や分泌亢進などのムスカリン症状、線維束攣縮などのニコチン症状、けいれんや意識障害の中枢症状が出て、発汗も伴います。公式正答はc・d・eです。
各選択肢の検討
a.血尿。誤り。確認した資料が挙げる有機リン中毒の症状に血尿は含まれません。尿についてはコリン作動性症状として排尿の増加が現れます。
b.口渇。誤り。ムスカリン作用で唾液などの分泌が増えるため、流涎が典型です。口渇はむしろ抗コリン作用の症状で、治療に用いるアトロピンで生じます。
c.縮瞳。正しい。ムスカリン症状の代表で、針穴状の瞳孔になります。ただしニコチン作用で散瞳を示すこともあり、瞳孔だけで否定しません。
d.発汗。正しい。コリン作動性の刺激が過剰になって生じる症状の一つです。確認した資料ではニコチン症状の項に挙げられていますが、ムスカリンかニコチンかの分類より、コリン作動性の症状として覚えます。
e.けいれん。正しい。中枢神経毒性が多く、興奮やけいれん、傾眠や昏睡をきたします。けいれんにはベンゾジアゼピンを用います。
覚えるポイント
有機リン中毒は「ぬれて縮む」:流涎・発汗・気道分泌亢進と縮瞳、加えて線維束攣縮とけいれん。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Organophosphate Poisoning and Carbamate Poisoning (MSD Manual Professional Edition)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。