けいれんの側方性徴候|第104回医師国家試験G11

第104回医師国家試験 G11(2010年)

正答:d

問題

けいれんの原因部位が左右どちらにあるかの判定に有用なのはどれか。

a.幻嗅

b.嘔吐

c.意識低下

d.眼球偏位

e.口部自動症

正答の理由

眼球や頭部が一方へ強制的に向く偏位(version)は、発作焦点と反対側の前頭葉の活動を反映する側方性徴候です。公式正答はdです。ただしversionの信頼性は、自然な首振りと区別でき、二次性全般化の直前に起こる場合に高まります。単独の徴候で断定せず、他の所見や脳波・画像と合わせて判断します。

各選択肢の検討

a.幻嗅。誤り。幻嗅(嗅覚前兆)は内側側頭葉てんかんに多いものの、確認した総説では側方性の価値はないとされています。

b.嘔吐。誤り。発作時嘔吐は主に側頭葉発作でみられます。参照した総説では確実な側方性の価値はないとされる一方、ILAEの解説では非優位半球を示す所見に挙げられ、資料で評価が分かれます。選択肢の中で左右判定の代表といえるのは眼球偏位です。

c.意識低下。誤り。意識低下を主症状とする発作の焦点は一次運動野や補足運動野から離れた部位に多く、持続時間も側頭葉と前頭葉で異なるなど、部位の手がかりになります。左右の手がかりとしてILAEが挙げるのは自動症中の意識保持(非優位半球)で、意識低下そのものは左右の判定に使いません。

d.眼球偏位。正しい。発作焦点の反対側へ向かう強制的な偏位(version)は、側方性徴候の代表です。ILAEの解説でも早期の強制的な頭部偏位は反対側半球を示すとされています。

e.口部自動症。誤り。口部自動症は側頭葉の局在を示唆しますが、側方性の価値を支持する根拠はないとする報告があります。片側の自動症が同側焦点を示す傾向や、自動症中の意識保持が非優位半球を示すこととは区別します。

覚えるポイント

発作時の頭部・眼球の強制偏位(version)は対側焦点を示す。幻嗅は局在、左右の判定には使えない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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