患者の心配への応答|第104回医師国家試験F27

第104回医師国家試験 F27(2010年)

正答:c

問題

次の文を読み、26、27の問いに答えよ。

総合外来における医師と患者の会話を示す。

医師:「今日はどうされましたか」

患者:「①咳が続くんです」

医師:「そうですか。では、症状について詳しく教えていただけますか」

患者:「5日前にのどが痛くて微熱があり、翌日から咳が出るようになりました。②市販の風邪薬を飲んで様子をみていたら、2日後には熱も下がり、のどの痛みも治まったので③昨日から仕事には出ているのですが、咳はずっと続いています」

医師:「なるほど。それでどうなりましたか」

患者:「④昼はそれほどつらくはないのですが、夜になると少し咳が増える気がします。ちょっと長いので、⑤もしかして肺炎にでもなっているのではないかと心配で今日病院にきました」

この後の医師の発言として最も適切なのはどれか。

a.「その心配はありませんから安心してください」

b.「現在は咳以外に何かお困りの症状はありませんか」

c.「肺炎を起こしているのではないか心配なのですね」

d.「では、さっそく胸部エックス線の検査をしましょう」

e.「つらい中でよくここまで仕事を続けてこられましたね」

正答の理由

患者は最後に受診の本当の理由である肺炎の心配を打ち明けました。患者が考えや心配をすべて話せないままだと、誤解や不要な処方、治療の中断につながることがあるとされ、医療者から引き出して確かめることが勧められています。まず患者の言葉を言い換えて返し、心配を受け取ったことを示すのが自然な次の一言です。診察も検査もまだなので、判断や検査の話はこのあとになります。

各選択肢の検討

a.「その心配はありませんから安心してください」。誤り。診察も検査もしないうちの早すぎる保証で、医学的な根拠がなく、心配を打ち切ってしまいます。

b.「現在は咳以外に何かお困りの症状はありませんか」。誤り。他の症状を聞くことは必要ですが、打ち明けられた心配に応えないまま話題を移すことになります。受け止めのあとに尋ねます。

c.「肺炎を起こしているのではないか心配なのですね」。正しい。患者の解釈と感情を言い換えて確認しており、話を聞いてもらえたと伝わります。そこから必要な問診、診察、説明へ進めます。

d.「では、さっそく胸部エックス線の検査をしましょう」。誤り。検査が必要になることはありますが、呼吸器の診察や追加の問診を経ずに決めると、心配を受け止める機会も失います。

e.「つらい中でよくここまで仕事を続けてこられましたね」。誤り。患者は昼はそれほどつらくないと述べ、仕事も昨日再開したばかりです。心配の中心である肺炎から話がそれます。

覚えるポイント

解釈モデルが語られたら、まず言い換えて受け止め、それから診察や説明へ進む。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第104回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました