第104回医師国家試験 F25(2010年)
正答:c
問題
受診した患者にある疾患を疑い、2つの異なる検査Aと検査Bとを施行した。結果は検査Aが陰性、検査Bが陽性であった。いずれの検査も感度50%、特異度95%である。
検査前と比較した検査後の疾患を有する確率として正しいのはどれか。
a.小さくなる。
b.変化しない。
c.大きくなる。
d.大きくなる場合と小さくなる場合がある。
e.予測ができなくなる。
正答の理由
陽性尤度比は感度÷(1−特異度)=0.50÷0.05=10、陰性尤度比は(1−感度)÷特異度=0.50÷0.95≒0.53です。検査後オッズは検査前オッズ×尤度比なので、2つの検査が条件付きで独立なら、全体では10×0.53≒5.3倍になります。検査前確率10%なら、オッズ0.11×5.3≒0.58で検査後確率は約37%です。検査前確率50%なら、オッズ1×5.3で約84%です。倍率が1より大きいので、検査前確率によらず確率は上がります(0%と100%を除く)。
各選択肢の検討
a.小さくなる。誤り。陰性結果の尤度比は約0.53で確率を下げますが、陽性結果の尤度比10の影響の方が大きくなります。
b.変化しない。誤り。尤度比の積が1なら変化しませんが、この問題では約5.3です。陽性と陰性が1つずつでも打ち消し合いません。
c.大きくなる。正しい。特異度が高いので、陽性結果の重みが陰性結果を上回り、全体として検査後オッズは約5.3倍になります。
d.大きくなる場合と小さくなる場合がある。誤り。倍率は検査前確率に依存しないので、同じ条件では向きは変わりません。上がる幅だけが検査前確率で変わります。
e.予測ができなくなる。誤り。感度と特異度が分かっていれば尤度比を計算でき、検査前確率が決まれば検査後確率も求められます。
覚えるポイント
結果が割れたら尤度比を掛ける。感度50%・特異度95%なら陽性10×陰性0.53で確率は上がる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Understanding the properties of diagnostic tests – Part 2: Likelihood ratios
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。