輸血の同意・適応と副作用|第104回医師国家試験F11

第104回医師国家試験 F11(2010年)

正答:b

問題

輸血で正しいのはどれか。

a.口頭での同意が必要である。

b.新鮮凍結血漿の適応は凝固因子の補充である。

c.白血球除去フィルターは輸血後GVHDを予防できる。

d.血小板数5万以下の場合は濃厚血小板輸血の適応である。

e.PCR法検査の導入以降、輸血後HIV感染症は認められていない。

正答の理由

平成17年9月に改定された血液製剤の使用指針(出題前に出された版)は、新鮮凍結血漿の適応を、TTP/HUSなどごく一部の例外を除いて複合的な凝固因子の補充に限ると明記しています。循環血漿量の補充には、より安全な細胞外液補充液やアルブミン製剤などを勧めています。公式正答はbです。現行の平成29年版でも同じ趣旨です。

各選択肢の検討

a.口頭での同意が必要である、は誤り。平成17年の輸血療法の実施に関する指針は、十分に説明して同意を得たうえで同意書を作成し、一部を患者に渡し、一部を診療録に添付するとしています。口頭だけでは足りません。

b.新鮮凍結血漿の適応は凝固因子の補充である、は正しい。TTPやHUSなどの例外を除き、複合的な凝固因子の補充が適応です。

c.白血球除去フィルターは輸血後GVHDを予防できる、は誤り。平成17年の指針が示す予防策は、リンパ球を含む血液製剤への放射線照射(15〜50Gy)で、フィルターは発熱性非溶血性反応や血小板輸血不応状態の予防に位置づけられています。現行の平成29年版も、保存前白血球除去のみで予防できるとは科学的に証明されていないとしています。

d.血小板数5万以下の場合は濃厚血小板輸血の適応である、は誤り。平成17年版でも現行版でも、2〜5万/μLでは止血困難な場合に必要となる程度とされます。数値はあくまで目安で、5万以下を一律に適応とはせず、原因、出血症状、経過を合わせて判断します。慢性の安定した血小板減少では5千〜1万/μLでも極力避けます。

e.PCR法検査の導入以降、輸血後HIV感染症は認められていない、は誤り。PCRなどの核酸増幅検査(NAT)でも、感染直後のウインドウ期は残ります。平成17年の指針もウインドウ期の供血者からのHIV感染を根絶困難な問題に挙げ、2004年の厚生労働省の資料には、50プールNATでのHIVのすり抜け確認事例や輸血後のHIV感染疑い事例の報告が載っています。

覚えるポイント

FFPは凝固因子の補充、輸血後GVHDの予防は放射線照射。同意は文書で。NATでもウインドウ期は残る。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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