変形性膝関節症の一次病変|第104回医師国家試験E57

第104回医師国家試験 E57(2010年)

正答:b

問題

63歳の女性。膝関節痛を主訴に来院した。10年前から歩行時に膝の痛みを感じるようになり、徐々に増悪している。下肢の写真(別冊No. 13A)と膝関節エックス線写真(別冊No. 13B)とを別に示す。

一次性病変があるのはどれか。

a.骨

b.軟骨

c.滑膜

d.筋肉

e.神経

下肢の前面写真。両膝が外側に開く内反変形(O脚)がある。
別冊No. 13A / 出典:厚生労働省・第104回E別冊(原本の該当ページ)
膝関節正面エックス線写真。内側の関節裂隙が狭く、関節縁に骨棘がある。
別冊No. 13B / 出典:厚生労働省・第104回E別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

中高年女性の長年の歩行時痛、O脚、内側関節裂隙の狭小化、骨棘と軟骨下骨硬化から変形性膝関節症です。関節軟骨の進行性の喪失が中心で、骨の肥厚性変化がそれに伴うため、公式正答はbです。ただし発症のきっかけには外傷後の力学的異常、滑膜からの炎症性物質、軟骨代謝の異常が挙げられ、すべてが軟骨単独で始まるわけではありません。

画像の見方

No.13Aで両側内反膝。No.13Bで腓骨側の反対(内側)の関節裂隙が狭小化、関節縁の骨棘と軟骨下骨硬化あり。

各選択肢の検討

a.骨。公式正答では選ばれません。骨棘や軟骨下骨硬化は目立ちますが、関節軟骨の喪失に伴う骨の肥厚性変化として説明されます。

b.軟骨。正しい。関節軟骨の進行性の喪失がこの病気の中心です。

c.滑膜。公式正答では選ばれません。滑膜からの炎症性物質が関与することはありますが、病変の中心は軟骨です。滑膜の炎症が中心となる代表は関節リウマチです。

d.筋肉。誤り。筋肉の病変では関節裂隙の狭小化や骨棘を説明できません。

e.神経。誤り。関節軟骨自体は神経を持たず、神経の障害でこのエックス線所見は説明できません。

覚えるポイント

変形性関節症の出発点は軟骨。骨棘と軟骨下骨硬化はその後の反応と整理する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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