第104回医師国家試験 E52(2010年)
正答:a・b・c
問題
34歳の女性。無月経を主訴に来院した。8年前に正常分娩し、その後月経に異常はなかったが、1年ほど前から稀発月経となり半年前から無月経となっていた。診察時に乳頭部の圧迫を行った後の写真(別冊No. 9)を別に示す。
疾患に関与するのはどれか。3つ選べ。
a.視床下部
b.下垂体
c.甲状腺
d.副腎皮質
e.卵巣

正答の理由
写真は乳頭からの白色の分泌で、無月経と合わせて高プロラクチン血症を考えます。原因は下垂体のプロラクチン産生腫瘍や下垂体柄の圧迫、視床下部の病変、原発性甲状腺機能低下症などです。プロラクチンの上昇はGnRHを抑制してゴナドトロピンを下げ、無月経を起こします。公式正答はa、b、cです。薬剤性も重要な原因なので、実際の診療では服薬歴も確認します。
画像の見方
圧迫後の乳頭から白色の分泌物が出ている。血性ではない。
各選択肢の検討
a.視床下部。正しい。視床下部の腫瘍やサルコイドーシスなどの浸潤性病変で、プロラクチンを抑えるドパミンの作用が途絶えます。
b.下垂体。正しい。プロラクチノーマが代表で、他の下垂体腫瘍が下垂体柄を圧迫しても上昇します。
c.甲状腺。正しい。原発性甲状腺機能低下症ではTRHが増え、TSHだけでなくプロラクチンの分泌も刺激します。
d.副腎皮質。誤り。MSDの高プロラクチン血症の原因の記載の中に、副腎皮質の疾患は確認できませんでした。
e.卵巣。誤り(公式キー上)。低いゴナドトロピンとエストラジオールは高プロラクチン血症の結果です。卵巣機能は二次的に低下しますが、乳汁漏出の原因臓器ではありません。
覚えるポイント
乳汁漏出+無月経は高プロラクチン血症。下垂体腫瘍、視床下部病変、原発性甲状腺機能低下症、薬剤を確認する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。