胎児発育不全と関連する感染|第104回医師国家試験E51

第104回医師国家試験 E51(2010年)

正答:c

問題

28歳の経産婦。妊娠32週0日の妊婦健康診査で胎児の発育に異常を指摘され来院した。超音波検査で児は男児で、児頭大横径〈BPD〉は77mm、腹囲〈AC〉は24.5cm、大腿骨長〈FL〉は55mm、推定児体重は1,290gである。

この病態と関連があるのはどれか。

a.淋菌

b.B群レンサ球菌〈GBS〉

c.サイトメガロウイルス

d.インフルエンザウイルス

e.クラミジアトラコマティス

正答の理由

妊娠32週として計測値が小さく、胎児発育不全を指摘された症例です。2010年当時の基準ではありませんが、2025年に報告された日本人の基準値と比べると、推定児体重1,290gは32週の第3パーセンタイル(篠塚式1,436g、Hadlock式1,294g)を下回ります。同じ報告の式で換算すると、BPDは約−1.2SD、ACは約−1.5SD、FLは約−1.2SDで、全体に小さい型です。選択肢の中で先天感染として胎児発育不全の原因になるのはサイトメガロウイルスです。MSDは、妊娠早期の先天感染を対称性発育不全の原因に挙げ、先天性CMVの出生時所見にも子宮内発育遅延を挙げています。公式正答はcです。

各選択肢の検討

a.淋菌。誤り。新生児では結膜炎や敗血症の原因となり、未治療の妊婦の淋病が関係します。胎児発育不全の代表的な原因ではありません。

b.B群レンサ球菌〈GBS〉。誤り。新生児の敗血症の主要な原因で、発育不全の原因としては扱われません。

c.サイトメガロウイルス。正しい。先天感染で子宮内発育遅延のほか、小頭症、脳室周囲石灰化、肝脾腫、難聴などを起こします。

d.インフルエンザウイルス。誤り。確認した資料に、胎児発育不全の原因としての記載はありません。

e.クラミジアトラコマティス。誤り。主に産道感染による新生児結膜炎の原因です。胎児発育不全の代表的な原因ではありません。

覚えるポイント

先天感染(CMV、風疹、トキソプラズマなど)は胎児発育不全の原因。GBS・淋菌・クラミジアは主に周産期の感染として覚える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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