第104回医師国家試験 E38(2010年)
正答:b
問題
成人と比べた成熟新生児の特徴はどれか。
a.腎の濃縮能が高い。
b.体重あたりの体内総水分量が多い。
c.体重あたりの体表面積が小さい。
d.体重あたりのビリルビン産生量が少ない。
e.ヘモグロビンの酸素親和性が低い。
正答の理由
体水分の割合は出生時に約70%で、12か月ごろに成人とほぼ同じ約61%まで下がります。つまり新生児は成人より体重あたりの水分が多い状態です。公式正答はbです。水分量が多く入れ替わりも速いうえ、体表からの喪失も大きいので、乳児は脱水に弱くなります。
各選択肢の検討
a.腎の濃縮能が高い。誤り。新生児の腎は尿を濃縮する力が限られ、最大尿浸透圧を200〜600 mOsm/kgとする総説があります。成人の腎髄質では1,200 mOsm/kgに達します。GFRや尿細管の最大クリアランスが成人域に達するのも1〜2歳です。
b.体重あたりの体内総水分量が多い。正しい。体重に占める割合は出生時70%で、成人とほぼ同じ水準までその後下がります。
c.体重あたりの体表面積が小さい。誤り。乳児は体格のわりに体表面積が大きく、そのぶん体表からの水分喪失も多くなります。
d.体重あたりのビリルビン産生量が少ない。誤り。新生児は赤血球寿命が短いため産生が増え、抱合能の低さや腸肝循環とあわせて生理的黄疸を起こします。
e.ヘモグロビンの酸素親和性が低い。誤り。胎児赤血球の55〜90%を占めるHbFは成人型より酸素親和性が高く、組織へ酸素を渡しにくい面があります。
覚えるポイント
新生児は水分が多く体表面積も大きい。腎機能は未熟で、HbFの酸素親和性は高く、ビリルビン産生は多い。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Physical Growth of Infants and Children
- Perinatal Physiology
- Neonatal Hyperbilirubinemia
- Neonatal Acute Kidney Injury—An Australian and New Zealand Perspective
- Tonicity drives collecting duct maturation in the mammalian kidney
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。