第104回医師国家試験 E10(2010年)
正答:b・e
問題
高カルシウム血症を呈するのはどれか。2つ選べ。
a.Cushing症候群
b.サルコイドーシス
c.原発性胆汁性肝硬変
d.慢性甲状腺炎〈橋本病〉
e.多発性内分泌腫瘍〈MEN〉I型
正答の理由
公式正答はbとeです。サルコイドーシスなどの肉芽腫性疾患ではビタミンD活性化が亢進し、MEN I型では原発性副甲状腺機能亢進症を介して高カルシウム血症を呈します。
各選択肢の検討
a.Cushing症候群。誤り(公式キー)。MSDの原因一覧に載るのは「術後のCushing病」という限定した状況で、Cushing症候群そのものが原因として挙げられているわけではありません。
b.サルコイドーシス。正しい。肉芽腫で25水酸化ビタミンDがカルシトリオールへ過剰に変換され、腸管からのカルシウム吸収が増えます。
c.原発性胆汁性肝硬変。誤り。現在の名称は原発性胆汁性胆管炎です。胆汁うっ滞による脂肪吸収障害でビタミンD不足や骨粗鬆症を来す疾患で、高カルシウム血症は典型所見ではありません。
d.慢性甲状腺炎〈橋本病〉。誤り。橋本病の主な帰結は甲状腺機能低下症です。MSDの原因一覧には粘液水腫の記載もありますが例外的で、橋本病の代表所見とはいえません。
e.多発性内分泌腫瘍〈MEN〉I型。正しい。MENは原発性副甲状腺機能亢進症の鑑別に挙がる疾患群です。I型では副甲状腺の機能亢進により高カルシウム血症を呈します。
覚えるポイント
高Ca血症は副甲状腺機能亢進症(MEN I型を含む)、悪性腫瘍、肉芽腫性疾患などを整理する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Hypercalcemia – MSD Manual Professional Edition
- Overview of Multiple Endocrine Neoplasias (MEN) – MSD Manual Professional Edition
- Primary Biliary Cholangitis (PBC) – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。