第104回医師国家試験 E7(2010年)
正答:c
問題
児娩出後の胎盤剥離徴候として正しいのはどれか。
a.恥骨結合上縁を圧迫すると、腟外に出た臍帯が引き戻される。
b.子宮底を軽く叩くと、臍帯を持った手にその衝撃が伝わる。
c.臍帯が児娩出直後と比べて下がってくる。
d.子宮底が児娩出直後と比べて下降する。
e.産婦が尿意を訴える。
正答の理由
公式正答はcです。胎盤が剥離して下降すると、外に見えている臍帯が長くなります(Ahlfeld徴候)。a・bは未剥離で起こる所見で、Küstner徴候やStrassmann徴候として区別します。
各選択肢の検討
a.恥骨結合上縁を圧迫すると、腟外に出た臍帯が引き戻される。誤り。未剥離では恥骨上の圧迫で臍帯が腟内へ引き戻され、剥離後は引き戻されません(Küstner徴候)。したがってこの所見は未剥離を示します。
b.子宮底を軽く叩くと、臍帯を持った手にその衝撃が伝わる。誤り。衝撃が臍帯に伝わるのは胎盤が未剥離の場合で、剥離後は伝わらなくなります(Strassmann徴候)。
c.臍帯が児娩出直後と比べて下がってくる。正しい。剥離した胎盤の下降に伴い、見えている臍帯の部分が長くなります。臍帯に印を付けると印の前進として確かめられます(Ahlfeld徴候)。
d.子宮底が児娩出直後と比べて下降する。誤り。剥離すると子宮は丸く硬くなり、子宮底は臍に近づくように上昇します(Schröder徴候)。
e.産婦が尿意を訴える。誤り(公式キー)。胎盤が産道を下りるときに自覚するのはいきみたい感じ(怒責感)で、参照した資料に尿意は剥離徴候として挙げられていません。
覚えるポイント
剥離の徴候は臍帯下降と子宮底上昇。圧迫で臍帯が引き込まれる、叩打が臍帯に伝わるのは未剥離。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Delivery of the Placenta (Johns Hopkins OBGYN-101)
- Küstner-Zeichen – DocCheck Flexikon
- Strassmann-Zeichen – DocCheck Flexikon
- Schröder-Zeichen – DocCheck Flexikon
- Ahlfeld-Zeichen Typ 1 – DocCheck Flexikon
- Tercera etapa del parto: el alumbramiento. Manejo y complicaciones
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。