精神疾患と妄想内容|第104回医師国家試験E3

第104回医師国家試験 E3(2010年)

正答:e

問題

妄想について正しいのはどれか。

a.躁病では心気妄想が多い。

b.認知症では誇大妄想が多い。

c.うつ病では敏感関係妄想が多い。

d.統合失調症では物盗られ妄想が多い。

e.アルコール精神病では嫉妬妄想が多い。

正答の理由

公式正答はeです。慢性のアルコール乱用では配偶者の不貞を確信する病的嫉妬(Othello症候群)が知られ、古典的なアルコール精神病の代表的な妄想です。各疾患に典型的な妄想の主題を対応させる問題です。

各選択肢の検討

a.躁病では心気妄想が多い。誤り。躁病の中核は自尊心の肥大や誇大性で、妄想も誇大的な内容になりやすいです。不治の病にかかったと確信する心気的な妄想は、むしろ精神病性うつ病の主題です。

b.認知症では誇大妄想が多い。誤り。認知症でみられる妄想は被害的なものが中心で、しまい忘れを背景にした物盗られ妄想が代表です。

c.うつ病では敏感関係妄想が多い。誤り。敏感関係妄想はKretschmerが記載した概念で、内向的で傷つきやすい敏感性格に環境の誘因が加わって生じる関係妄想です。うつ病の妄想の主題は罪業や不治の病、被害などです。

d.統合失調症では物盗られ妄想が多い。誤り。統合失調症で多いのは被害妄想で、監視や迫害を受けていると確信するものが典型です。物盗られ妄想は認知症の典型です。

e.アルコール精神病では嫉妬妄想が多い。正しい。長期の飲酒と病的嫉妬の関連が報告されています。パートナーへの暴力につながることがあり、安全面の評価も要します。

覚えるポイント

躁=誇大、うつ=罪業・心気、認知症=物盗られ、統合失調症=被害、アルコール=嫉妬。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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