産褥期の経過と初乳の組成|第104回医師国家試験E1

第104回医師国家試験 E1(2010年)

正答:d

問題

産褥期・初乳について正しいのはどれか。

a.産褥熱は増加傾向にある。

b.褐色悪露から赤色悪露に変化する。

c.産褥熱の主な起炎菌はB群レンサ球菌〈GBS〉である。

d.初乳は成乳に比べてラクトアルブミンが多く含まれる。

e.妊娠高血圧症候群の評価には産後8週間が必要である。

正答の理由

公式正答はdです。ヒト乳の蛋白組成は泌乳初期に大きく変わり、α-ラクトアルブミンは免疫グロブリンやラクトフェリンとともに産後早期から低下すると報告されています。したがって初乳のほうが成乳より多いとする記述が合います。

各選択肢の検討

a.産褥熱は増加傾向にある。誤り(公式キー)。産褥熱による死亡は、1935年以降にサルファ剤、続いてペニシリンが導入されて先進国で急速に減った経緯があります。この根拠は先進国の歴史的経過で、日本の近年の年次統計ではありません。なお現在の感染頻度を左右する主な要因は分娩様式で、特に帝王切開で高くなります。

b.褐色悪露から赤色悪露に変化する。誤り。順序が逆です。血性の赤色悪露が3〜4日続いたのち淡褐色の褐色悪露となり、さらに10〜12日後に黄白色の白色悪露へ変わります。

c.産褥熱の主な起炎菌はB群レンサ球菌〈GBS〉である。誤り。産褥子宮内膜炎は複数菌感染が基本で、GBSのほかブドウ球菌や腸球菌、大腸菌なども関与します。GBSは起炎菌の一つであり、単独の主因とはいえません。

d.初乳は成乳に比べてラクトアルブミンが多く含まれる。正しい。初乳は免疫成分に富み、乳清蛋白の比率も高い乳汁です。α-ラクトアルブミンも泌乳の進行とともに低下すると報告されています。

e.妊娠高血圧症候群の評価には産後8週間が必要である。誤り。出題当時の2005年の日本産科婦人科学会の定義(解説記事の転載で確認)も2018年の定義も、区切りは分娩後12週です。8週ではありません。

覚えるポイント

悪露は赤色→褐色→白色の順。初乳は免疫成分とα-ラクトアルブミンに富み、妊娠高血圧症候群の区切りは産後12週。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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