流行性耳下腺炎の合併症|第104回医師国家試験D47

第104回医師国家試験 D47(2010年)

正答:a・c

問題

6歳の男児。右耳の下の痛みを主訴に来院した。体温38.1 ℃。酸味の多いものを食べると痛みが増強する。約2週前に、通っている幼稚園に同様の症状を認める児がいた。顔面の写真(別冊No. 17)を別に示す。

この疾患の合併症としてみられるのはどれか。2つ選べ。

a.難聴

b.肺炎

c.髄膜炎

d.蜂巣炎

e.リンパ節炎

別冊No.17 顔面の写真。右耳の前下方から下顎角部にかけて腫脹している。
別冊No.17 / 出典:厚生労働省・第104回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

園内の流行、右耳下部の腫脹と圧痛、酸味で増強する痛み、発熱から流行性耳下腺炎(ムンプス)を考えます。腫脹は耳の前下方に広がり、耳垂が持ち上がって見えます。合併症には、思春期以降の精巣炎・卵巣炎、髄膜炎・脳炎、膵炎のほか、まれな難聴があります。公式正答はacです。

画像の見方

右耳下部から下顎角部にかけて腫脹を認める。

各選択肢の検討

a.難聴。正しい。頻度は低いものの、ムンプスの神経合併症として難聴があります。

b.肺炎。誤り。確認した資料の主な合併症(精巣炎・卵巣炎、髄膜炎・脳炎、膵炎など)に肺炎は挙がりません。

c.髄膜炎。正しい。ワクチン未接種者で最大10%程度にみられ、頭痛、嘔吐、項部硬直と髄液細胞増多を示します。

d.蜂巣炎。誤り。細菌による皮膚軟部組織の感染症で、ムンプスウイルスの合併症として資料に挙がりません。

e.リンパ節炎。誤り。主病変は唾液腺で、リンパ節炎は主な合併症に挙がりません。腫脹部位の鑑別としては耳下腺かリンパ節かを区別します。

覚えるポイント

ムンプスの合併症は髄膜炎・難聴・膵炎、思春期以降の精巣炎。酸味で増強する耳下部痛が手がかり。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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