神経性大食症の身体所見|第104回医師国家試験D19

第104回医師国家試験 D19(2010年)

正答:e

問題

神経性大食症〈過食症〉について正しいのはどれか。

a.体重は標準を超える。

b.無月経を伴うことが多い。

c.過食はしても絶食はしない。

d.近年、神経性食思〈欲〉不振症よりも発生頻度が低い。

e.電解質異常と代謝性アルカローシスとをしばしば伴う。

正答の理由

神経性大食症では過食のあとに自己誘発嘔吐や下剤・利尿薬の乱用、絶食、過剰な運動などの代償行動を繰り返します。嘔吐を繰り返す例では低カリウム血症などの電解質異常と代謝性アルカローシスが問題になります。公式正答はeです。なおdは、調査の時期と方法で頻度の大小が入れ替わるので、下記の留保を確認してください。

各選択肢の検討

a.体重は標準を超える。誤り。多くは標準体重で、過体重や肥満は少数です。

b.無月経を伴うことが多い。誤り。無月経が多いのは神経性やせ症です。確認した本症の資料には無月経が特徴として記載されていません。

c.過食はしても絶食はしない。誤り。絶食は代償行動の一つです。

d.近年、神経性食思〈欲〉不振症よりも発生頻度が低い。公式正答には含まれない。出題当時に近い米国の調査(2001〜2003年)の女性の生涯有病率は神経性やせ症0.9%、本症1.5%で、日本の地域調査も若年女性で0.2〜0.5%と0.3〜2%でした。一方、日本の1992年の病院調査は10〜29歳女子10万人あたり14.8人と6.7人で、MSDが引く現在の米国の推計も女性約1.5%と約0.5%で神経性やせ症が多くなります。いずれも発生率でなく有病率などの資料で、この記述を一律に誤りとはできません。

e.電解質異常と代謝性アルカローシスとをしばしば伴う。正しい。本症の総説は低カリウム血症などの電解質異常を挙げ、神経性やせ症の総説は代謝性アルカローシスが誘発嘔吐や下剤・利尿薬の使用で悪化すると述べています。

覚えるポイント

神経性大食症は標準体重が多く、過食+代償行動を繰り返す。嘔吐で低K血症と代謝性アルカローシス。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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