第104回医師国家試験 C5(2010年)
正答:b
問題
手指の切創の縫合前に確認すべき項目で重要でないのはどれか。
a.いつ受傷したか。
b.いつ食事をしたか。
c.アレルギー歴はあるか。
d.常用している薬は何か。
e.運動機能は保たれているか。
正答の理由
手指の切創は通常局所麻酔で縫合するので、最終食事時刻は縫合の可否を左右しません。日本麻酔科学会の術前絶飲食ガイドライン(2012年で出題より後)も、適応を全身麻酔、区域麻酔、鎮静、鎮痛を要する待機的手術患者としており、局所麻酔は挙げていません。一方、受傷からの時間、麻酔薬などのアレルギー、抗血栓薬などの服用、腱・神経損傷の有無は処置に直結します。全身麻酔や鎮静を要する場合は例外で、食事時刻を確認します。
各選択肢の検討
a.いつ受傷したか。重要。受傷から処置までの遅れは、創の治癒を損なう因子に挙げられており、処置方針の判断に関わります。
b.いつ食事をしたか。正解(重要でない)。局所麻酔だけで縫合するなら、食事時刻で処置は変わりません。全身麻酔や鎮静へ切り替える場合には必要になります。
c.アレルギー歴はあるか。重要。局所麻酔薬では真のアレルギーはまれですが、蕁麻疹やアナフィラキシーを起こし得るため、薬剤選択のため確認します。
d.常用している薬は何か。重要。抗血小板薬・抗凝固薬は止血に、ステロイドや免疫抑制薬は創傷治癒に影響します。
e.運動機能は保たれているか。重要。腱・神経損傷の見逃しは創処置の重大な誤りです。手指では運動機能と知覚(2点識別を含む)を確認します。
覚えるポイント
縫合前は受傷時間、アレルギー、内服薬、腱・神経機能を確認する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Skin Lacerations – MSD Manual Professional Edition
- 術前絶飲食ガイドライン(日本麻酔科学会、2012年)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。