第104回医師国家試験 B36(2010年)
正答:a・c
問題
欠乏によって味覚障害をきたすのはどれか。2つ選べ。
a.鉄
b.銅
c.亜鉛
d.ヨウ素
e.セレン
正答の理由
亜鉛欠乏は味覚障害の代表的な原因で、国内の報告でも原因別の上位に入ります。鉄欠乏性貧血では平滑舌を生じ、鉄欠乏性も原因の一つとして集計されています。味覚障害の血液検査では銅も測定項目に含まれますが、確認した資料の銅欠乏の症状は血液、骨、神経の障害で、味覚障害は挙げられていません。本問の銅の扱いは公式正答に基づきます。
各選択肢の検討
a.鉄。正しい。鉄欠乏性貧血による平滑舌が味覚障害の背景となる舌の異常に挙げられ、国内の集計では原因の約4%が鉄欠乏性です。
b.銅。誤り(公式正答に基づく)。確認した資料の銅欠乏の症状は好中球減少、鉄剤に反応しない低色素性貧血、骨の石灰化障害、脊髄症と神経障害で、味覚障害の記載はありません。
c.亜鉛。正しい。亜鉛欠乏では味覚低下、嗅覚低下、皮膚炎、脱毛、創傷治癒遅延などが起こります。味覚障害を起こす薬剤の一部は亜鉛のキレートを介すると考えられています。
d.ヨウ素。誤り。欠乏すると甲状腺が肥大してコロイド甲状腺腫を生じ、重度では甲状腺機能低下症や、胎児・小児の発達障害につながります。
e.セレン。誤り。欠乏は風土病性の心筋症である克山病の素因となります。味覚障害は主症状ではありません。
覚えるポイント
味覚障害は亜鉛欠乏と鉄欠乏性貧血(平滑舌)。銅は血球と神経、ヨウ素は甲状腺、セレンは心筋。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬物性味覚障害(厚生労働省)
- Zinc Deficiency – MSD Manual Professional Edition
- Copper Deficiency – MSD Manual Professional Edition
- Iodine Deficiency – MSD Manual Professional Edition
- Selenium Deficiency – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。