第104回医師国家試験 B29(2010年)
正答:a・d
問題
胎便について正しいのはどれか。2つ選べ。
a.暗緑色である。
b.大腸菌が含まれている。
c.羊水中に含まれている。
d.胎児の肺にとって有害である。
e.生後 3 日を過ぎてから排泄される。
正答の理由
胎便は嚥下した羊水、胎毛、消化管分泌物からなる粘稠な暗緑色の便です。気道へ入ると機械的閉塞、サーファクタント障害、炎症を起こします。公式正答はadです。bとcには近年の知見や例外があり、選ばないのは公式キーに従うもので、絶対に含まれないという意味ではありません。
各選択肢の検討
a.暗緑色である。正しい。胎便は粘稠で暗緑色と記載されます。
b.大腸菌が含まれている。誤り(公式キー上)。胎便の主な成分は羊水・胎毛・消化管分泌物で、胎内は無菌とする考え方が従来の基本です。ただし近年の解析では、大腸菌が属する腸内細菌科などの細菌が胎便から報告されています。汚染の影響を含めて議論があり、大腸菌そのものの有無を直接示す記載は参照資料で確認できていません。
c.羊水中に含まれている。誤り(公式キー上)。通常は腸蠕動の少なさと肛門括約筋の収縮で羊水中へは出ません。ただし全分娩の約4〜22%で羊水に胎便がみられ、42週を超える妊娠では23〜52%と増えます。
d.胎児の肺にとって有害である。正しい。胎便を吸引すると気道閉塞、サーファクタントの不活化と産生低下、炎症性肺炎が起こり、遷延性肺高血圧症も問題になります。
e.生後 3 日を過ぎてから排泄される。誤り。ほとんどの新生児は生後24時間以内に胎便を排泄します。48時間を超えて排泄がなければHirschsprung病などを考えます。
覚えるポイント
胎便は暗緑色で通常は生後24時間以内に排泄。羊水混濁は胎内排出を示し、吸引すると肺を傷害する。胎便の細菌は議論のある領域。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- Meconium aspiration syndrome: from pathophysiology to treatment
- Meconium Aspiration Syndrome
- Hirschsprung Disease
- Bacterial load in meconium
- Infant gut microbiota colonization: influence of prenatal and postnatal factors, focusing on diet
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。