高齢者で低下する機能|第104回医師国家試験B28

第104回医師国家試験 B28(2010年)

正答:b・d

問題

高齢者で低下するのはどれか。2つ選べ。

a.脳脊髄液圧

b.眼の調節機能

c.顔面表在感覚

d.高音域の聴力

e.心臓交感神経機能

正答の理由

老視(水晶体が硬くなり調節力が低下)はほぼ誰にでも起こり、高音域からの聴力低下も加齢性難聴の典型です。公式正答はbdです。ただし他の肢にも加齢で低下を示す報告や別の解釈があるため、公式キーと現在の知見を分けて覚えます。

各選択肢の検討

a.脳脊髄液圧。公式キーでは選ばない。ただし「変化しない」と断定はできません。腰椎穿刺12,118例の後ろ向き研究では50歳代から髄液圧が低下し、90〜95歳群では20〜49歳群より26.9%低値でした。一方で老視や高音域難聴ほど典型的な加齢変化としては扱われません。

b.眼の調節機能。正しい。水晶体が硬くなると近くに焦点を合わせにくくなり、多くの人が40歳代で老視を自覚します。

c.顔面表在感覚。公式キーでは選ばない。触覚の鋭敏さの閾値は高齢者で足や指では約80%高いのに前腕では22%程度という報告があり、部位差があります。顔面そのものの加齢データは参照資料で確認できておらず、低下しないと断定はできません。

d.高音域の聴力。正しい。加齢性難聴では高い音から聞こえにくくなり、言葉の聞き取りが悪くなります。騒音曝露の累積も関わります。

e.心臓交感神経機能。公式キーでは選ばない。ヒトを含む哺乳類で、加齢により交感神経インパルスは増えると総説がまとめています。一方でβ受容体刺激に対する心拍の反応は低下するため、「機能」を反応性とみれば低下の面もあり、語の解釈には注意が必要です。

覚えるポイント

高齢者の代表的な低下は老視(調節)と高音域の聴力。交感神経は活動増加・反応性低下と分けて理解する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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