第104回医師国家試験 B27(2010年)
正答:b
問題
つかまり立ちはできるが、歩行のできない 1 歳 2 か月の幼児への対応で適切なのはどれか。
a.頭部 CT
b.経過観察
c.脳波検査
d.甲状腺ホルモン測定
e.股関節エックス線撮影
正答の理由
出題前の平成12年調査では、ひとり歩きの通過率は1歳2〜3か月未満で89.3%、1歳3〜4か月未満で93.8%でした。出題後に公表された平成22年調査でも、同じ月齢で81.1%、92.6%です。1歳2か月で歩けない児は珍しくなく、つかまり立ちも獲得済みなので、他の異常がなければ経過観察です。公式正答はbです。ただし問題文は運動発達以外の所見を示していません。退行、筋緊張や左右差の異常、他領域の遅れ、さらに月齢が進んでも歩かない場合は評価を行います。
各選択肢の検討
a.頭部 CT。誤り。神経学的異常や頭蓋内疾患を疑わせる所見が問題文に示されておらず、歩行の遅れだけでCTを行う理由がありません。CTは放射線被曝も伴います。
b.経過観察。正しい。正常範囲の発達と判断できるため、経過を見ます。MSDの発達の目安でも、12か月は伝い歩きで1〜2歩歩くことがある段階、18か月で上手に歩くとされています。
c.脳波検査。誤り。問題文に発作や意識の変化など脳波を考える症状の記載はなく、歩行の遅れだけで行う理由がありません。
d.甲状腺ホルモン測定。誤り。問題文に、甲状腺機能低下を疑わせる哺乳不良や発育不良などの記載はありません。歩行開始の遅れだけで測定する根拠にはなりません。
e.股関節エックス線撮影。誤り。問題文に股関節の異常を示す所見はなく、つかまり立ちもできています。被曝を伴う撮影を行う理由がありません。
覚えるポイント
ひとり歩きの通過率は1歳2〜3か月未満で約8〜9割(平成12年89.3%、平成22年81.1%)。つかまり立ちができる1歳2か月の未歩行は、他に異常がなければ経過観察。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第104回医師国家試験問題および正答
- 平成12年乳幼児身体発育調査報告書 調査結果の概要(表9-1)
- 平成22年乳幼児身体発育調査 調査結果の概要
- Childhood Development
- Hypothyroidism in Infants and Children
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。