労災保険の適用・給付・保険料|第104回医師国家試験B23

第104回医師国家試験 B23(2010年)

正答:a

問題

我が国の労働者災害補償保険について正しいのはどれか。

a.強制加入である。

b.遺族は給付の対象外である。

c.医療費の自己負担は 1 割である。

d.業務上疾病の認定は産業医が行う。

e.保険料は事業主と労働者とが折半して負担する。

正答の理由

労災保険法は労働者を使用する事業を適用事業としており、原則として事業主の意思で加入を選ぶ制度ではありません。政令で定める一部の事業には、当分の間の暫定任意適用の例外があります。公式正答はaです。条番号は現行法で示し、出題前年(2009年初め)の法令データと照合しました。労災保険法の第3条、第12条の8、第31条、第38条は当時も同じ番号ですが、徴収法の負担の条は現行第31条、当時第30条です。複数事業労働者の規定などは出題後に加わっています。

各選択肢の検討

a.強制加入である。正しい。現行法第3条で労働者を使用する事業は適用事業とされています。政令で定める一部の事業は、法の附則により当分の間適用事業としない暫定措置の対象で、例外として別に扱います。

b.遺族は給付の対象外である。誤り。業務災害の保険給付には遺族補償給付が含まれ(第12条の8)、労働者の死亡時に遺族へ年金または一時金が支給されます。

c.医療費の自己負担は 1 割である。誤り。業務災害の療養補償給付に1割負担の規定はありません。一部負担金は通勤災害の療養給付を受ける場合の200円以下に限られます(現行法第31条)。

d.業務上疾病の認定は産業医が行う。誤り。保険給付に関する事務は所轄の労働基準監督署長が行います(施行規則第1条。2009年時点の版にも同じ規定があります)。決定への不服は労働者災害補償保険審査官へ審査請求します。産業医は事業場の健康管理を担う医師で、認定機関ではありません。

e.保険料は事業主と労働者とが折半して負担する。誤り。労働者の負担は労働保険料のうち雇用保険率に応ずる部分について定められ、残りは事業主の負担とされています(徴収法の現行第31条。2009年時点の法令データでは同じ内容が第30条)。労災保険分に労働者負担はなく、折半ではありません。

覚えるポイント

労災保険は原則強制適用、労災分の保険料は事業主負担、給付に遺族補償、業務災害の療養に自己負担なし、決定は労働基準監督署長。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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